能動的観察

太一はカーテンを開け、窓を開け、それから、遠くの空を眺めた。遠くまで青く澄んでいて、気持ちいい。深呼吸をしながら頭上を仰ぐと、こちらは灰色の雲が広く浮かんでいた。吸い込んだ空気も湿っている。

このあたりは山がちで、湿度の高い風がぶつかると、雲ができやすい。

「ねぇ」

と、後ろから、弥生に声をかけられた。

「ハワイのノースショアみたいな風だね」

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