写生練習 曇りの朝

理屈っぽい饒舌

空が青い。雲がない朝だから当然だ。ずっと遠くから近くまで澄み渡っている。が、すぐ近くの頭上の様子は違う。灰色の雲が重々しく垂れ込めているのだ。

アルミサッシの冷えた窓を開けると、部屋の中に静かに外気が流れ込んできた。室内のほうが気圧が低い、ということだ。顔や腕の撫でるように動く冷たい風は、湿気をたっぷり含んでいる。

「ハワイのノースショアの風みたいだね」

と、弥生が言った。