老婆ABC

@tonpero

第1話

月曜、朝7:30。

往く人もまばらな歩きやすい商店街。

動物の温もりを全部閉じ込めたようなモコモコのトップスと、歩きやすそうなストレッチのタイトパンツで歩く3人の女性。


老婆A: わたしあそこのトンカツすきやわ〜

老婆B: なに?

老婆C: あ〜きたろうさん?

老婆A: そうそう、おいしいわ〜

老婆C: マイセンのに似てる?

老婆A: わたしマイセンはカツサンドしか食べたことないわ〜

老婆B: せやなぁ〜


老婆A: あ、もうここや、ほな!


老婆ABC: じゃ〜ね〜!



未来が見えた。

わたしも80歳のときに、あんな風におしゃべりできる友達と過ごしたいし、あんな朝の時間を過ごしたい。


女性はいつまでも変わらない。


明るく弾んだ老婆の「じゃあね」がわたしの朝も明るくしてくれた。

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