第2話

@mizuhana0825

まだ蕾の花達よ

・黒江 廿楽(くろえ つづら)♂︎

14歳。頬にある絆創膏が特徴。

明るく、男女共に好かれがちなクラスの盛り上げ役。

察しがよく、ユリと話が合う。



・実(みのる)※廿楽役と同じ人が演じてください

ウィードの親玉。なぜか廿楽を成長した後のような見た目をしている。

年齢不詳、落ち着いた声で淡々と話す。



・白夜 ノアル(びゃくや のある)♂︎

14歳。異国人とのハーフ。

女性に耐性がなく、雰囲気とは合わない天然。

戦闘ではクールで冷静に物事を対処出来る。



・花宮 ユリ(はなみや ゆり)♀︎

14歳。お嬢様。

しっかり者で礼儀正しい性格。

幼い頃から習っていた格闘技で前衛として戦う。



・サクラ(サクラ)♀︎

14歳。戦闘能力はない一般人。

優しく健気な少女。趣味は読書。

放課後は図書館で過ごすことが多い。



・白夜 クレア(びゃくや くれあ)(セリフ少なめ)♀︎

14歳。ノアルの双子の妹。

廿楽の元タッグ相手で、廿楽のことが好きだった。

強気で自分のことが大好き。



・ダチュラ(だちゅら)♂︎

敵の幹部。ヤンキーっぽくてオラオラしてるタイプ。

20歳前半くらい?



・ローズ(ろーず)(セリフ1つしかないです)♀︎

敵の幹部。はだけた服を着ており、大人の色っぽい声で話す。戦闘狂。

20歳後半くらい?



・グロリオサ(ぐろりおさ)(セリフ1つしかないです)♂︎

敵の幹部。カタコトで感情があまりない。

10代前半くらい?子供。




・図書館の受付係(セリフ1つしかないです)♀︎

受付係。



・N♂︎♀︎

ナレーション。





━━━━━━━━━━━━━━━


「第2話」




┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈



N:廿楽の口から語られた、半年前の事件。

かつて2年A組にいた、白い髪の少女。

彼女の名前は……



クレア:あら…!はじめまして、ごきげんよう!

私の名前は白夜クレア。あなたが廿楽さん?



廿楽:よう、お前が俺のペアだな。

その通り、俺は黒江 廿楽っつーんだ、よろしく頼むぜ



N:この学校の実習訓練は、必ず前衛と後衛でペアを組む決まりになっている。

白夜クレアは、小さい身長ながらとても怪力であり、戦闘時には自分より大きい鎌を振り回す。

戦育学校の前衛の中で最も強い少女だった。



クレア:ふふ、わかったわ!

これからよろしくね、廿楽!




┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈



ユリ:…廿楽さん?


廿楽:っ!

…悪い、ちょっとぼーっとしてた。


ユリ:大丈夫ですか?

具合が悪いなら別の機会にでも…


廿楽:いや、大丈夫だ。

心配かけちまったな、もう覚悟は決めたよ。


ユリ:…そうですか、

ではお願いします。



廿楽:…昔、2年A組には女の子がいたんだ。

前衛の中で最強だった。

…白夜クレアって名前の子だ。


ユリ:…!(小さく息を吸う)

もしかして、ノアルさんの…?


廿楽:双子の妹だろうな。

クレアも兄貴が好きだって話してた。

きっとノアルのことなんだろう


ユリ:…A組にいた、という過去形なのは?



廿楽:…………

死んだんだよ、実習訓練で。

ウィードに殺された。



ユリ:…え?

し、死んだ…?




廿楽:クレアは、俺のパートナーだった。

あの時、俺は、ウィードの強さが異常だと思って、クレアに撤退を指示したんだ。(声が震え始める)

でも、クレアは…自分が傷付けられると、我を忘れて戦ってしまう。

俺は…クレアがそうなるって、知ってたんだ…

なのに、止められなくて………

クレアは、目の前で、


(※悔しそうに、切羽詰まる感じを出して。ここにどれだけ時間かけてもOK)



ユリ:分かりました。

もう大丈夫です、1度深呼吸をしてください。

…私の声が聞こえますか?


廿楽:(深呼吸をする)

……ごめん、大丈夫。

ありがとう。


ユリ:…少しだけ質問させてください。

私が2年A組に来たのは、クレアさんがいなくなって空いた分だと…?


廿楽:そうだ。

校内1位がいなくなったら、校内2位を連れてくるしかないだろ?


ユリ:…なるほど。

そういうことだったんですね。

ニュースになってないのは、学校の意向ですか…


廿楽:いや、白夜家が隠したって聞いてる。

いろいろ事情があるらしいな…

詳しいことは探らないほうがいいと思うぜ。

俺も、もう思い出したくないんだ…


ユリ:…このことを知っているのは誰ですか?


廿楽:A組の皆だけだ。


ユリ:……まさか、ノアルさんは、A組の皆さんに復讐するつもりじゃ…!?


廿楽:俺も!!(上と被せるように)

…最初はそう疑ったさ。

でも、あいつが嘘をついているようには見えないんだ。


ユリ:……信じましょう。今だけは。

ですが、ノアルさんがもし。廿楽さんに矛先を向けることがあれば…

私は廿楽さんのために、戦いますよ。


廿楽:……ありがとう。

でも、俺は…

……き存在なんだ


ユリ:え、今なんて…?


廿楽:あ…

いや、そろそろ遅い時間だろ?

もう帰ろうぜって言ったんだよ


ユリ:……そうですか。

わかりました、帰りましょう。


廿楽:…あ、次は、ちゃんとしたところでデートしような!(明るく)


ユリ:…!

ふふ、なら次は私の家なんてどうでしょう?


廿楽:は!?

いきなりハードル高すぎだろ!?


ユリ:あら、ふふっ

(小声で)いつもの廿楽さんだ、よかった。




┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈



N:そして、廿楽はユリを家まで送り届けて、自分も帰宅した。

今日1日、色んなことがあって疲れてしまったため、家に帰って早々に休むことにした。

しかし…



┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈




廿楽(頭の中):………ん?

って、え…?俺は確かに、部屋のベッドで寝てたはず…

しかも声が出せねぇ…どこだここ…

…小さく、人の声が聞こえる?





ダチュラ:……だーかーrrら!(出来たら巻舌)

さっさとこのあたり一帯を全滅させて、その中から純血探しゃいいだろーが!!

なんでこんな回りくどいことしなきゃなんねーんだよ、めんどくせーな…



ローズ:あらあら…それじゃダメなのよぉ。

純血ちゃんも殺しちゃう可能性があるでしょぉ?

アタシ、ミスはしたくないのよねぇ



グロリオサ:…ぼく、なんでもいい。

はやく、ひと、ころしたい。



ダチュラ:だよな〜グロリオサ!ほらぁ、これで2体1でオレらの意見になるよなぁ?

なーなーミノルサン、どーおもう?



実:…落ち着いて。皆。



廿楽(頭の中):…え、俺の声?



実:暴れたい気持ちはわかる、でも、ここは慎重にいこう。

…白夜家もいるしね。



廿楽(頭の中):白夜…!?間違いない、ウィード側だ!!

くそ、誰なのか確認したいのに真っ暗で何も見えねぇ…っ



ダチュラ:…(舌打ち)

変なコードネームつけんなよ。

俺の名前は…


実:…ダチュラ。(ダチュラの首を絞める)


ダチュラ:っがぁ…………(苦しそうな声)

わかった、何も言わねーから、それ、やめろ…っ

っはぁ……はぁ………


実:…私に反抗しないように。

また招集かけたときに来てね。

はい、解散。




廿楽(頭の中):…な、なんだこれ

何が起こってるんだ?

なんで俺がこの会話を聞けている、罠か?

一体、どういう…



実:……誰か、この会話を聞いているね。



廿楽(頭の中):っな…!?バレてるのか!?



実:この会話を聞けてるってことは、身内に裏切り者でもいるのかな…?

まぁいいや、必ず君を見つけて口封じに殺すから、



廿楽(頭の中):あ、視界が、今なら見える…!




実:この顔。

覚えててね。





廿楽:……っはぁ!!!

はぁ………はぁ……………

…あ、れは、大きくなった、俺?




┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈



N:次の朝、どうやらノアルと廿楽は家の方面が一緒だったらしい。

廿楽が朝、登校していると…。



┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈



ノアル:おはよ、廿楽!


廿楽:っあ~~~~……

ノアル…おはよ。


ノアル:…って、元気ないね!?

どうしたの、悪い夢でも見た…?


廿楽:せいかーい……

あんま覚えてねぇんだけどな。

俺、朝弱いんだよな……

(眠そうにあくびする)


ノアル:そうなんだ…


廿楽:おいおい、俺と一緒に気分下がるなよ…

あ、そうだ。昨日できなかったんだし、今日勉強会やろーぜ


ノアル:っあ!えっと!!

僕、予定あるから、また今度、で!(挙動不審)


廿楽:……へぇぇ?(にやにやしながら)

お前ほんっとわかりやすいな………

……まさか、彼女が出来たとか


ノアル:わああああああ!!!!(上に被せるように)

違うから!今からだから!!


廿楽:今から!?今からってなんだ!?ちょ、おい、詳しく…!


ユリ:道端で騒がしいですね…

おはようございます、学校の近くなんですからこれ以上目立たないでください。


廿楽:ユリ!!!

ちょ、それだけ言って通り過ぎんなよ!!手伝えって!!


ユリ:ちょっと…!この状況で名前を呼ばないでください!


ノアル:あ、あぁ!!課題やるの忘れてた!僕、先行くね!!

あと、勉強するなら図書館じゃなくて図書室がおすすめだよ〜!!(フェードアウト)


廿楽:…なるほど。

図書館、ね(ニヤニヤしながら)


ユリ:はぁ…嫌な予感しかしないです……



┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈



N:特に何事もなく授業が終わり、放課後。

ノアルは一目散に下校する。

廿楽も、ユリを無理やり連れてノアルの後を追いかけた。



┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈


廿楽:はぁ…はぁ……

あいつ、足はえぇ……

バレないように、息切らしたくなかったのに、っはぁ…


ユリ:でもノアルさん、私たちのこと全く気づいていませんよ…

鈍感すぎませんか…?

(息切れせずに言う)


廿楽:くそ……なんでユリはそんなに余裕そうなんだよ……

(廿楽はここも息切れ中)


ユリ:ふふ、前衛2位ですよ?私。


廿楽:っはは…男の面目ねぇなぁ……




ノアル:あ、サクラさん…!


サクラ:あっ…!ノアルくん、こんにちは!




廿楽:…は!?えっ…!

嘘だろ、いつあんなかわいい子を…!?


ユリ:わぁ…本当だったんですね。


廿楽:ん…?いや、待てよ?

これは片思いだな…??


ユリ:ですね。

昨日一目惚れした後、そのまま話しかけたとか…?


廿楽:その線ありそうだな…!

うーーわ、面白くなってきたぞこれ…!!


ユリ:あ、ちょっと!そんなに前に出たらバレますよ!



サクラ:…あ、今日はお友達も連れてきてくれたの?


ノアル:え?

友達…って、うああああ!??廿楽とユリさん!?



受付係さん:しーーー……

お静かに、図書館ですよ。



ノアル:あ……ごめんなさい……

な、なんでここに…ちょっと外に行こう!!



┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈



廿楽:いや、わりぃ。

邪魔するつもりじゃなかったんだ……


ノアル:うう……

クラスの他の人に言ってないよね!?


廿楽:あ、あぁ。

言ってない。


ノアル:もう…再来週の掃除当番交代な。


廿楽:げ、俺二週間掃除かよ……


ノアル:自業、自得、だろ!!





サクラ:…あの、えっと、ユリちゃんって呼んでもいいですか…?


ユリ:ええ、もちろん!

あら、この制服は…

もしかして、花宮女子中学校に通っていらっしゃるのですか?


サクラ:そうなんです!

制服が可愛くて、見た目だけで中学校を選んでしまって…


ユリ:ふふ、気に入っていただけて嬉しいです。

実はその服、母がデザインしたんですよ。


サクラ:えっ!?ユリちゃんって何者…!?


ユリ:実は、お母様が理事長をやってる学校なんです。


サクラ:そうなんだ…!

あ、敬語…


ユリ:いいんですよ、せっかくなのでとっちゃいましょう?

私、サクラさんと仲良くなりたいです。

(かっこよく)


サクラ:わわわ……(照れ声)


ノアル:うわーー……ユリさん…

男の僕より紳士的じゃん……


廿楽:ドンマイ、ノアル。


ユリ:…?一体何がドンマイなんですか?


廿楽:聞こえてたのかよ!!


ユリ:ほら、廿楽さんもサクラさんにご挨拶を。


廿楽:あー、はいはい…

俺は廿楽っつーんだ、よろしくな。


サクラ:あ、私はサクラです!

廿楽くん、よろしくね!


廿楽:おう!

よろしく、サクラ。


ノアル:わーーー!!!

おい廿楽!呼び捨てはダメだろ!!

僕だってまだ呼べてないのに…!


サクラ:え?

ノアルくんも私のこと、サクラって呼んでいいよ?


ノアル:え!?

あ、そ、そんな、心の準備が…!


廿楽:初々しいねぇ


ノアル:廿楽!うるさい!!


サクラ:えへへ、賑やかで嬉しい…!

ノアルくん、いっぱいお友達連れてきてくれてありがとうね!


ノアル:あ…!うん!

サクラさんが喜んでくれてよかった!


廿楽:おやおや?

「サクラさん」でいいのかな?(ニヤニヤ)


ユリ:廿楽さん、あんまりからかってはいけませんよ。


廿楽:怒られちった…

ほらノアル!ここは男を見せろ!

(背中を叩く)


ノアル:うっ………

サ………サ………………(ためて)

サクラ……………………(小声)



サクラ:…!

ノアルくん!


ノアル:〜〜〜〜っ(喜んでる声)


廿楽:はは、よかったな


ユリ:ふふ、お二人共可愛らしいですね




┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈



N:新しい友達が増えて喜んでいるサクラを、嬉しそうに眺めるノアル。

そして、その2人を見守る廿楽とユリ。

これから先、沢山楽しいことが待ってるんじゃないかと胸を躍らせる4人。

この4人に訪れるのは、幸せな未来か不幸な結末か。

物語はまだ、始まったばかりである____。



┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈




「まだ蕾の花達よ」

1章 終わり

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