リフレクション01

水面

登場

窓から彼女が飛び込んできた……私が開けたのだ。彼女は「外で」待っていた、部屋に入ろうと窓の外で待っていた。素晴らしい身のこなし……しかし理由は聞かない。どうして窓の外で(寒い!)部屋に入ろうと待っていたかを聞くのは禁じられているということをお忘れではないだろうか。私は覚えているのだ。そう自慢することでもない。彼女立ち上がる……今立ち上がった。人が膝立ちから立ち上がる様をこれほどの距離で眺められるのは人生に一度あるかないかの貴重な経験で、だから私がまじまじ眺めているのに彼女は気づかぬ「振り」で応じてくれたということに私は感謝の念を禁じえず、もはや感動の域まで達し、実際のところ「ありがとう」と口から漏れ出たのは意外だった。そうしてしなやかな振り向き(しなやかな振り向き!)で彼女は、「どういたしまして」と笑ったのだ……これは一種の「完成」ではないだろうか……?

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