この子のせいで俺の決心が揺らぎまくるんだが!?

花込 沙谷香

プロローグ

1番好きなのは**ちゃんで〜2位は**ちゃんで3位はーーーーーーーー


こんなフレーズを、小学校低中学年ぐらいの時に聞いたことは無いだろうか。


一人の人間が異性と付き合う時、この国では一般的に、パートナーは一人だけだと言うことは誰もが知っていることだろう。


少なくとも小学生高学年にもなれば知っていたはずだ。


だが俺は中学2年生の頃、友達に好きな子居る?と聞かれた時、このフレーズを使ってしまったのだ。


名前を挙げ終わった時の友達の反応は今でも忘れられない。


「え、、1人じゃないの?、、、」


ドン引きだった。


翌日教室に来るとその話はもう他のクラスまで広がっていた。


やれ女ずきだの、やれハーレム希望だの、それはもう数え切れないくらい言われた記憶がある。


当然その日から女子に大いに避けられ始めた。


当時俺はメンタルがプレパラート並に脆かったので、数日で参ってしまい学校にはめったに行かなくなった。


このことをきっかけに俺は『好きな人ができる』ということに恐怖を抱いた。


新しい場所に身を置くため、参考書やワークブックなどを大量に買って、ス〇ディサプリも駆使し、何とか進学校に入学することが出来た。


こんなに勉強したのは生まれて初めてだったと思う。


そして学栄高校の入学式の日、朝玄関を出る前に心の中であることを決心した。


ーーーーー女子とは関わらないでおこう、そうすればもうあんなことは起きないはずだーーーーー


その後多少緊張していたこともあり、大きく深呼吸した後、俺は玄関を出て久しぶりの通学路を歩き始めたのだった。

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