第4話体育
午後の授業は、地理、英語、体育だ。そして、今は体育の時間。僕は、勉強関係は、得意で、誰にも負けない自信があるのだが、運動は昔から本当にダメだ。なんで、この世には、体育という授業が存在するんだ。体育には、嫌な経験しかない。今日の体育は、よりによって持久走。3000mの距離のタイム測定を行う。
「よーし、男子はスタートラインに並べ!」
体育の高橋先生の掛け声とともに、スタート位置に立つ。男子と女子は、別々にタイム測定を行うのだ。基本的に足の速い生徒が前の方に行き、僕みたいな遅い生徒は後ろの方に行く。
「あぁ〜やだなぁ〜」
バスケットボールやサッカーなどのチーム戦なら基本的にボールに触らずに隠れていればなんとかなるが、こういう個人種目だとそうはいかない。持久走ならなおさらだ。
「はぁ〜、公開処刑だな。」
「位置について、よーい」
バン!!
ピストル音とともにみんなが一斉にスタートをする。やはり、陸上部やサッカー部などの運動部は速い。みるみる僕から遠ざかっていく。もうすでに僕はビリだ。
「はぁ、はぁ、はぁ、はぁ」
つらい。つらすぎる。まだスタートして200mほどなのにもうすでに身体が動かなくなってきた。みんなが遠ざかっていく。
「はぁ、はぁ、はぁ、」
トップからはすでに周回遅れになっている。あ〜、つらい。段々と頭が痛くなってきた。足も痛い。
後ラスト1周だ。もうすでに、みんなはゴールをしている。僕が最後だ。あぁ〜みんな僕を哀れな目で見ているのだろう。そして最後には、みんなの拍手とともにゴールをするのだろう。毎回あれを経験する身だが、とてもつらいものがある。みんなから見下されている感じがとてもする。普通トップの人に拍手するものなのに、なんでビリの人に拍手をするのだろうか。馬鹿にしているとしか思えない。
「はぁ、はぁ、はぁ」
ラスト200mくらいかな。もう少しだ、頑張れ僕。あー身体が動かない。なんか目の前が真っ暗になってきた。あれっ、、、
バタン。
僕は、ゴールを目の前にして、倒れてしまった。高橋先生やクラスメイトが近づいて来るのを感じながら僕は意識を失ってしまった。
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