空白の日記

ユニーグ

プロローグ

古ぼけた日記を愛おしそうに見る。

ページをめくる手は、割れ物を扱うように慎重だ。

最初の頃はたどたどしかった文字も、ページをめくるたび読みやすく、きれいになっていく。

ふと、あるページに辿り着く、それを、一番愛おしそうに見ている。

それは、白と言うには古ぼけた、時間の時を思わせるページ、他の色など入ってはない。

だってこれは、思い悩み悲しみ、葛藤や喜びなど、あのときの楽しかった思い出が詰まっている。

私はそれを、白の記憶と読んでいた。

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