職場の姐さん・行動パターンが丸見え

 毎度登場する職場の姐さん(五十代前半)のお話。食堂で昼飯を食っていると姐さんの携帯が鳴りました。この姐さんはけっこう機械音痴でスマホの操作音が消せません。まぁそれはさておき、娘さんからLineが来ました。


姐「うわ、娘の奴が『かき揚げが食べたい』って送って来よった」

京「あ~あ、こらまた面倒くさい物を」


姐「あいつ、何を思って面倒なもんを食べたいんやろう?」

京「テレビでも見たんじゃないですかねぇ」


姐「かき揚げとなると買いもんに行かんなん」

京「やっぱりお芋は絶対ですよね?」


姐「当たり前やん、お芋の無いかき揚げなんか在り得へん」


 ここで京の脳裏にある光景が浮かびました。姐さんは以前「ホイップクリームを見ると買ってしまう&食べてしまう」と言っていました。


京「姐さんの事やから、お買い物に行ってお菓子とかケーキのコーナーへ吸い寄せられて『三十円引き』のシールを見てついつい生クリームとかチョコのお菓子を買って家に帰って晩御飯の支度をして娘を待ってる間に『いやいや、京さんが言う通りにはならへん』とか思いつつ買ってきたケーキやシュークリームを食べてしまうパターンですね?」


姐「京さんの中で私はどんな風に見えてるん?」

京「食いしん坊バンザイ」


―――――そして翌日の昼休み―――――


姐「昨日な、プッ……ワハハハハハハ。娘がかき揚げを食べたいって言うてたやん……あ~おかしい!」


 何だかわかりませんが姐さんの笑いが止まりません。


姐「でな、買い物に行ったらアハハハハハハッ! お芋を買うてん!」


 多分ですが姐さんは『箸が転げてもおかしい年頃』ではありません。


京「とりあえず落ち着きましょう」

姐「でな、京さんが『ケーキ売り場に吸い寄せられて我慢しようとしたけど値引きシールにつられて買ってしまう』って言うてたやん!」


 まぁ、そんな事は言った気がします。


姐「でな、絶対に京さんの言う通りにならんって心に決めてレジに行こうとしたらな、クリームとチョコのクレープが三十円引きになってて……プ~ククッ!」


 我慢できなかったんだろうなと思いつつ話を聞きます。


京「買ったんですね?」

姐「京さんが言う通り買ってしまってん!」


京「やっぱり」

姐「しかもドーナツにホイップクリームを挟んだ奴も買ってん!」


京「クレープで止まりませんでしたか」

姐「でもって娘を待ってる時に暇やったから食べてしまってん!」


 睨んだ通りです。っていうか姐さんの行動は簡単に予測できます。母と同じだからです。


姐「何で私の行動パターンがわかるん? 夫よりわかってるで!」

京「姐さんが欲望に忠実で誘惑に弱いからです」


 結局、姐さんはチョコとクリームがたっぷりなクレープとドーナツの一部を食べてから夕食のかき揚げも食べたそうな。


姐「クリームとチョコのクレープ、でもってホイップクリームのドーナツまで食べたあとでかき揚げ。凄いカロリーを食べてしもた……でもかき揚げは野菜やから大丈夫……多分」

京「何ぃ! やっちまったな!」


 おそらく次は『姐さん・ミカンは一瞬で消える』をお送りできると思います。

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