その夜、私はこっそりと抜けだし、祖母の部屋へと向かった。

疑惑を晴らすために向かった。

スマートフォンの灯りを頼りに、廊下を歩いていく。しんとした雰囲気が辺りを包んでいた。

私は祖母の部屋にたどり着くと、数回ノックをした。「どうぞ」という声があったので入った。

「あら、アリスちゃん、ご機嫌いかが?」

祖母はテーブルについてまた茶を飲んでいた。

「あなたがやったんでしょ」

私はズバリ本題にきり出した。

「あなたがやったんでしょ」

祖母は何も言わなかった。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る