ウチの学園にはどうやら女神様達がいるようだ
影山阿輝
第1話 プロローグ
俺の名前は向井亮太、何処にでもいる普通の高校生だ。いや家族はまともじゃないけど俺はまともなはずだ。そんな俺は今とある屋敷に居る。その屋敷の主の名前は龍城雷牙で俺の母の父親で爺さんだ。昨日突然電話があって呼び出されたんだが何のようなんだ?
「うむ、よく来たな龍牙」
「おい、このくそ爺その名で呼ぶなって何回言えば気が済むんだ?」
「おお、それはすまなんだ」
そうガッハハハハと笑う糞爺の雷牙は齢七十にして筋骨隆々のゴリラのような肉体をしている野性的な顔立ちの爺さんだ。
ちなみに俺の本当の名は龍城龍牙だ。とある事情で偽名を名乗っている。
「それに、ここでは気にすることはなかろう」
「まあ、たしかにそうかも知れないが……」
「まあよい、今日お前を呼び出したのは会ってほしい人がいてのぉ」
「会ってほしい人?」
誰だろう?背後の扉の前に居る人のことか?ん?なぜ分かるのかだって?そんなもん気配を辿れば分かるだろ?
「さあ、入って来なさい」
そう爺さんが言うと扉が開き二人の女性が入って来て爺さんの隣に座った。ん?あれ香坂秋葉じゃね?
香坂秋葉、俺の通う龍華崎学園には七大女神と呼ばれる美少女達が居る。その内の一人が彼女、香坂秋葉だ。腰まで伸びた黒髪にアメジストの瞳、手足がスラリと長くスタイル抜群の美少女だが、そのあまりの冷たさに氷の女神と称されている。
「初めまして、香坂楓と申します」
そう名乗った彼女は楓というみたいだ。おそらく秋葉のお姉さんなのだろう。秋葉と同じく黒髪を腰まで伸ばし、秋葉がキリッとした目つきなら彼女はクリッとした目をしている。秋葉と同じくスラリと長い手足に秋葉を上回るスタイルを持った絶世の美女だ。秋葉を戦女神のような美しさとするなら、彼女は豊穣神のような美しさを持っている。
「初めまして、香坂秋葉……です」
よろしくお願いしますと言いながら礼をした。
「ああ、初めまして向井亮太です」
そう名乗り俺も礼をした。
「それで、爺さんこの二人は?」
気になったので爺さんに聞いてみた。
「ああ、この二人は今日からお前の婚約者 つまりお前の恋人だ」
そう爺さんは衝撃的な発言をした。
「……は?」
どういう事?
「ん?どうした龍牙?」
「いやいやいや、婚約者?恋人?しかも二人も!?」
「ああ、その事か」
「ああ、その事だよ!!!つか龍牙で呼ぶな!!!」
爺さんの胸ぐらをつかみ問いただした。
「文句を言うなら儂ではなく神奈に言え。もともとはあの子が持ってきた縁談だからのう」
「はあ?母さんが持ってきた?」
神奈は俺の母親の名前だ。腰まで伸びた茶髪に翡翠の瞳。スラッとした手足にスタイル抜群の美女だが性格が致命的に悪い。傲岸不遜で傍若無人その上ヤンデレときたもんだ。親父もよく結婚したなと思うよ。……いや無理矢理させられたと言った方がいいのか?
「おい、なんかめちゃくちゃ嫌な予感したしねぇーぞ」
「……すまん」
「おい!一体何があったんだよ!いや何をやらかした!!!」
そう言いながら爺さんの胸ぐらをを掴んだまま上下に揺らした。
すると、某有名なロックバンドの曲が流れた。
「ああ、俺のスマホからか」
電話の相手の名前。見てみるとKannaの文字が。
「げぇっ!母さんからだ」
「何!?」
「っ!?」
と爺さんが反応し二人が体を震わせた。
……一体何をしでかしたんだよ。
「もしもし母さん?」
「ああ、龍牙か?」
「……ああ、そうだけど」
龍牙って呼ぶな!と言いたいが間違いなく殺されるから我慢しよう。
「今そっちに二人の女がいるだろ?」
「ああ、たしか名前は香坂楓と秋葉だっけ?」
「ああ、その二人はお前の女として宛がってやったから感謝の念を抱き咽び泣けよ愚息」
相変わらず傲岸不遜な女だな!!!
「どうして二人が俺の彼女になったんだ?」
「ああ、あいつらの親が私に向かって罵声を浴びせた上に仕事の責任を押しつけてきやがってな、むかついたから潰して娘を奪って来たんだ。それでせっかくだから二人共お前の慰み者にしてやろうと思ってな?お前まだ経験少ないだろう?今の内に慣れておけ」
「言い方よぉ……でも二人って大丈夫なのか?世間体的に」
「ああ、大丈夫だ。少子化が問題になってきてな?これから一夫多妻制に切り替わるんだよ」
「ああ、なるほど」
たしかにそれならまあ、大丈夫なのか?
「まあ、私が無理矢理変えたんだがな」
という呟きが聞こえた。
「おい、何やってんだ」
「まあ、そんな訳だからその二人の孕み袋をしっかり可愛がってやれよ?」
「だから、言い方を考えろ!」
「まったく煩い奴だな……じゃあその二人の性奴隷をしっかり可愛がってやれよ?」
「おい!余計酷くなってる……って切れやがった!」
「ふむ、そんな訳じゃから今日からお前達は同棲してもらう」
「チッ!」
「「……はい」」
二人共、怯えたように返事をした。
「はあ……勘弁してくれぇ……」
そう呟きは空へ消えた。
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