「…疲れたな」


立ち止まる。

驚いたことに、私は息を荒くしていた。

そんなになるほど歩いたのか。

その割にはどうも息が苦しいし拍動がおかしい。

ひゅーひゅーと不気味な音が内側から鳴っている。熱中症になった時のように、体が熱い。

目眩と耳鳴りが同時に襲ってきた。

この時初めて、奇妙だと感じた。


ここはどこだ。


私は泡を吹きながら、ふらふらとよろめいた。

おかしい。

おかしいおかしいおかしい。

空は赤く、地は紫に染まっていく。


何も考えられなくなってきた。

痛い。


あたまが


髪から、水滴が頰へと滑ってきた。

それを押さえた掌を開けると、どす黒い赤がちらりと見えた。

それももうおぼつかない。


われる


イタイ

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