第2話 魔王軍対天空龍

「いくぞ、ヒメ、ソラ、」


 キョウの声と共にJ、ケンと入れ替わりで2人の女性プレイヤーが出てくる。


「了解です、先輩。【フレアブラスト】」


 魔王を先輩と呼び、短杖『虹の魔杖レインボーマジック』を振り巨大な炎を天空龍に放つのは、黒く長い髪をサイドテールにし、整った顔立ち、黒いゴスロリドレスを着た美少女。

 ゲーム内最強の魔法の使い手であり、その異名は「魔法姫マジックプリンセス

 キャラ名は、「ヒメ」


 そんなヒメの放った炎が、天空龍にダメージを与える。


「グルガァァァ」


 だが、そのせいでヒメにヘイトが貯まり、ヒメに、天空龍の攻撃が向かう。

 ……が



 ガキン


 と大きな金属音が響く。

 音の発生地には、天空龍の爪と、ヒメを庇いながら大剣で爪を受け止めるキョウの姿がある。


「危なかったな。ヒメ、無事か?」 


「無事ですよ。ありがとうございます♪先輩」


「そうか。なら良かった…よっと」


 キョウは、手に持つ大剣を振るい天空龍の爪を弾く。

 すると、天空龍に一瞬スキができる。


「今だ、ソラ!」


 キョウは、作った一瞬のスキを、伝えるべく上空に向かって声を上げる。



「キョウ、ナイス。……撃ち抜け【スターアロー】」


 魔王の言葉に淡々とした言葉で反応するのは、上空を飛び弓を放つ、長い銀髪をツインテールに結ぶ、背の低い美少女。

 白色を基準とした服を着ており、その背には、本来ならありえない白い翼が生えている。

 その格好と、強力な弓を使う姿から「天使」の異名を持つ。

 キャラ名は「ソラ」


 ソラの放った【スターアロー】は、一直線に天空龍の目を射抜く。


「グギャャャァァァ」


 そして天空龍のHPが、残り僅かになった。

 すると天空龍が、力を貯めるアクションをする。


「範囲攻撃が来るぞ。ミサ結界を頼む」


「分かりました。【セイクリッドエリア】」


 魔王軍の面々は、各自で防御体制をとる。


 そして、キョウの言葉に反応し、手に持った長杖を振り結界を張るのは、長い金色の髪を持ち、白を基調とした聖職者のような格好をした女性。

 その格好と、強力な回復、バフを使うことから「聖女」の異名を持つ。

 キャラ名は「ミサ」


 ミサが「セイクリッドエリア」を発動させるとミサを中心として光の障壁が張られる。


 そんな結界が張られた直後、天空龍がブレスを放つ。


「グルガァァ!!」


 ブレスは、結界に当たりながら結界を確実に結界を削りやがて破壊される。


 だが、結界のおかげで魔王軍のHPは、僅かに削られるだけですんだ。


「これで終わりにする。全員総攻撃だ」


 キョウは指揮をしながらも、天空龍に向かっていの一番に攻撃をする。

 他の魔王軍も各々の攻撃を天空龍に仕掛ける。


「トドメだ!【生命変換攻撃ブラッドブースト】」


 キョウが、自らのHPを攻撃力に変化させる血濡れの黒剣の固有スキル、生命変換攻撃ブラッドブースト発動させる。


 すると、血濡れの黒剣に入っている紅の線が光りだす。


「うぉぉぉ、りゃ!!!」


 キョウが、血濡れの黒剣を思いっきり振り、天空龍のHPを大きく削り、


「グ!ウォォォ」


 全てのHPを削り切る。



 そしてHPが0になり、天空龍がポリゴンになり、空中に消える。


 そして魔王軍は、自然とキョウのもとに、集まる。


「ふぅ~、みんなお疲れ」


 こうして、最強ギルド魔王軍と、天空龍の戦いは、幕を閉じた。



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