酔っ払っていた美人を介抱するために家に連れ帰ったら襲われて食べられちゃいました
三枝 優
第1話 お持ち帰りされたので食べちゃいました
「ちぇ・・・」
高橋ミキは、千鳥足で街を歩いていた。
高校時代からの親友の美月に彼氏ができた。
その彼氏は、ちょっといいなと思っていた年上の男性で・・・
いままで奥手の美月が何故か今回だけはグイグイ行った結果、付き合うことになったらしい。
美月と一緒に飲んだ後、なんとなくむしゃくしゃして一人でやけ酒を飲んだ帰りであった。
ミキはもう数カ月も彼氏がいない。
それなのに美月ときたら・・惚気るだけ惚気けやがって。
かなり酔っているミキ。
怪しい足取りで手すりに捕まりながら歩道橋を渡る。
ふと見ると、カメラを抱えて写真を取る青年がいる。
酔っ払ったミキ・・
「なぁ。何写真撮ってんだぁ?」
驚くその男性は、それでも真面目なのか答えた。
「夜景を・・夜景がきれいなので」
へえ、ちょっとかわいい顔してるじゃないか・・・
「なあ・・」
「はい」
「一緒に飲みに行かねえ?」
「え?・・行きませんよ」
「なぁ・・・行こうよ・・」
ずるずると座り込むミキ。
意識が暗くなっていった。
「あの。大丈夫ですか?ねえ。しっかりして」
青年が声をかけるが・・・ミキは寝てしまった。
――――
ふと気がつくと、知らない部屋にいた。
まだ酔った頭で、どこだろうと思った。
ソファか何かに横になっている。
すると、先程の青年がやってきた。
”ちょっと・・タイプかも”
まだ酔っているミキはぼんやり思う。
「気が付きましたか?いきなり寝ちゃうんでびっくりしましたよ」
「ここは・・・?」
「僕のアパートですよ、大丈夫ですか?」
「み・・水・・」
ガラスのコップに入れた水を手渡される。
水を飲んでソファにぐったりともたれるミキ。
”あぁ・・・お持ち帰りされちゃったのか・・”
だんだん状況を理解できるようになってきた。
「大丈夫ですか?向こうにベッドがあるのでそちらに行きますか?」
”あぁ・・エッチされちゃうのか・・まぁタイプな方だからいいか・・
かなりご無沙汰だしな・・・”
青年に抱きかかえられるようにベッドに行く。
青年はミキをベッドに横たえる。
「大丈夫ですか?私はリビングのソファで寝るので何かあったら声をかけてください」
”え・・・するんじゃないの・・・”
「なぁ・・」
「はい?」
「あんたも草食系なのか?」
「は?」
思えば、彼も草食系だった。ミキがそれとなく誘っても相手にもしない。
それを親友はグイグイと押しの一手でものにしたのだ。
思い出すと、ムカムカしてきた。
「これだから草食系は」
「え?」
「ちょっと・・こっちに来て」
「なんですか?」
ベッドにかがんで覗き込んだ相手に、いきなり抱きつき唇を奪った。舌を入れる。
「ん”ん”ん”・・・・!?」
そう、ミキは青年を襲った。
朝、ミキは眼を覚ました。
気だるい疲れと達成感。
体の相性が良かったのか。何度も堪能した。
ベッドから身を起こす。ベッドにはもう彼はいない。
隣の部屋から音が聞こえる。
シーツを体に巻きつけて、そちらの部屋に向かう。
「あ。起きました?僕はもう出かけないといけないので。ご飯ここに準備してますね。」
昨晩、熱い夜を一緒に過ごした相手がそこにいた。
彼が頬を膨らまして言う。
「・・・僕は・・・キスも初めてだったんですよ・・・もう・・」
ミキは何も言えず立ちすくんでいた。
「じゃあ、もう行かないと。鍵はここにおいておくので出かけるときに鍵かけてポストに入れておいてください」
そう言って昨夜の相手が学生服を着て学生カバンを持って玄関の扉を開ける。
「では、行ってきます」
あとに残ったミキは・・呆然と立ちすくんだ。
「やば・・・犯罪・・・?」
◇◇◇◇◇◇◇◇
念のために追記しておきますが
この物語は、法律・法令に反する行為を容認・推奨するものではありません。
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