私(穂高)の日常。~(先輩、私の事)番外編~

アキノリ@pokkey11.1

七水穂高という人間

私の名前は穂高。

七水穂高といいます。

穂の様に高くなれと父親と母親に貰った名前です。

県立岩手高校1年生で.....そうですね。

もう直ぐ16歳になります。


身長とかは160センチぐらいです、アハハ。

体重などは秘密です。

私の彼氏にはいつかは言う事になるかもですが今は秘密です。

だって恥ずかしいですから。


そんな私の容姿ですが昔は太っていました。

でも今は茶髪のロングでスタイルも痩せました。

何だか周りからは美少女美少女と言われていますがそんな実感は無いです。

何処からが基準なのか分からないですしね。

まさに苦笑いとしか言いようが無いです。


あ、そんな私ですが付き合っている彼氏がいます。

先輩に当たりますが今は名前で呼ばせてもらっています。

私の大切な彼氏は大博さん。

波瀬大博さんです。

県立岩手高校の2年生の男の子です。


自分では容姿がカッコよく無いとか言ってますが私にとっては外見とか格好良さとかそんな事はどうでも良いです。

問題は心が優しくて.....心が格好良いか、それだけです。

だから大博さんは最適な彼氏で昔から大好きです。

私はあの日、告白されてから大博さんの永遠の伴侶になると決めています。


私は大博さんが大好きでキスもしました。

とても恥ずかしいです。

でも.....それだけ大好きって事です。

私は大博さんと居ると色々な事件に巻き込まれます。

でも.....それでも大博さんへの愛は消えません。


お父さんが亡くなった時もいち早く彼は.....私を慰めてくれました。

だから.....この人はやっぱり一番なんだって思ったんです。

私は大博さんと幸せな家庭を築きたい。


それが今の夢です。

二人で学んで.....子供が生まれる。

最大の夢です。


でも知っての通りですが私の家はとても貧乏です。

そして.....両親が亡くなりました。

だから大博さんに迷惑を掛けてしまいそうで.....怖いです。


でもその中でも大博さんは、関係ない、と言ってくれました。

その言葉に私はどれだけ救われたか。

私は大博さんに一生付いて行くと改めて決意した時です。


「お姉ちゃん。どうしたの?」


「.....あ。ボーッとしていたかな。ごめんね。甘」


声を掛けてきたのは七水甘。

ボブヘアーで私に微笑むとても可愛い自慢の妹です。

私の双子の妹の一人です。

小学2年生で近所の小学校に通っています。

双子なので蜜という女の子も居ます。


「ボーッとしているなんて.....また大博お兄ちゃんの事?」


「そ、そんな事。もー。甘ったら」


「アハハ。ビンゴだね。お姉ちゃん」


「.....」


私の家はとても貧乏だと言いました。

それは両親が床に伏せて亡くなって.....生活保護しか無いからです。

その為、家は軋んでいます。


今にも屋根は吹き飛びそうなぐらいの中古の家です。

でも住めるだけ有難いです。

ゴキブリも出ますが.....駆除すれば住めますから。


「ねぇねぇ!今日のご飯は!?」


「焦らないの。甘。今日は具材の少ないコンソメスープだけだけど.....ごめんね」


「良いよ!全然大丈夫。コンソメスープだね!」


「.....」


甘は良く耐えて頑張っていると思います。

そして蜜も耐えて。

お兄ちゃんも必死で。

みんな本当に頑張ってくれています。


なのに神様は私を見てくれません。

両親を甘と蜜から奪っていきました。

私は神様が嫌いです。


お葬式の時、甘と蜜は全く泣きませんでした。

それは泣いたら悲しむと思ったのでしょう。

私が、お兄ちゃんが、です。

でもその葬式をきっかけにバラバラになりそうになっていました。

私たち家族は、です。


それを止めたのが私の彼氏のお母さんでした。

大博さんには幾度も助けられています。

本当に.....感謝しか無いです。

もうお礼をするとなったら.....身体?しか無いですが。

恥ずかしいです。


「ただいま〜!!!!!」


バタバタバタバタと蜜が帰って来ました。

長髪を靡かせて、です。

私は蜜に、手を洗ってうがい!、と呼び掛けます。

すると蜜は直ぐに、はーい!、と返事をして私に答えます。

それから甘を見ました。


「うがいした?手洗いも」


「したよ!」


「そう。分かった。じゃあお手伝いして」


「うん!」


言いながら甘は三脚を持って来ました。

思えば。

この今に至るまで相当な人達に出会って来ました。


大博さんもそうですが智明さんも鞠さんも。

皆さんに、です。

それはとても良い経験になっています。


「お姉ちゃん!混ぜたら良い!?」


「そうね。ゆっくり混ぜてね」


「はーい!!!!!」


ビシッと敬礼しながらバタバタとお手伝いしてくれる甘。

両親を失った事。

甘と蜜はとても理解してくれています。

でもイジメもあった様です。


その事を大博さんに相談していました。

私はまだまだ未熟ですね。

気が付かなかったのが.....悔やまれます。


「甘。今この時は楽しい?」


「え?とっても楽しいよ?.....おかしいお姉ちゃん。アハハ」


「.....そう。良かった」


そう言ってはくれますが。

甘は.....蜜は。

きっと悲しい思いをしているでしょう。

私は.....涙が浮かんできます。

妹達をそんな目に遭わせているこの現状に、です。


「お姉ちゃん.....?」


「.....あ、ああ。ごめんね。甘」


「泣かないで?ね?」


涙がいつの間にか浮かんでいた様です。

私は直ぐに涙を拭ました。

それからニコッと何時もの笑顔を見せながら。

調味料を入れていきます。


「お姉ちゃん。大丈夫?」


「蜜。大丈夫よ」


「でも心配」


「.....有難う。二人とも。本当に大丈夫」


私は勢い良く蜜を抱え上げます。

それから頬擦りをしてあげました。

蜜は、きゃー、と言いながら笑顔になりました。

すると甘も、私も!、と唇を尖らせます。


「ごめんごめん。甘。じゃあ一緒に!」


と、私は甘を抱え上げます。

すると後ろの鍋が噴いちゃって私達は慌てました。

そしてそれを拭きながらお互いに笑い合います。

すると、ただいま、と声がしました。


「お?どうしたんだ」


「お兄ちゃん。お帰りなさい」


「お兄ちゃん!」


帰って来たのは兄の七水信也です。

工場でシフトを次々と組んだバイトをしています。

何時もヨレヨレで.....。


そういえば兄は大学を中退しています。

私達を養う為です。

帽子を脱ぎながら私を見つめてきます。


「もしかして噴いて零れたのか?手伝うよ」


「良いよ。お兄ちゃん。それよりもお風呂入って来て」


「え?.....でも」


「良いから。疲れているんだから入って来て」


そうか?分かった。

じゃあ甘、蜜。

一緒に入るか?、とお兄ちゃんは呟きます。

はーい!と手を挙げてそれから私を見て私に、任せても良い?、と確認してから。

私は頷き、そのまま甘と蜜はお風呂に入りに行きました。


因みにお兄ちゃんには彼女が居ます。

その彼女は元は大博さんを好いていたのですが.....。

私が大博さんの彼女になってから.....恋愛対象を変えたのです。

それから私のお兄ちゃんが告白して。

付き合う事になったのです。


「.....」


私は遠くに有る仏壇を見ます。

それから笑みを浮かべてから手を合わせました。

お父さんとお母さんにです。


それから私は拳を握ってから、よし!、と言葉を発しました。

頑張りましょう。

また明日、大博さんに元気に会う為に、です。


頑張って.....また会ってキスがしたいかなって思います。

だってキスすると安心しますから。

イチャイチャしたいですね。

でも今は家庭の事を.....解決しないと。


「.....うん。噴いたけど美味しいな」


それから私は鍋の中身を味見してから。

ちゃぶ台に持って行きました。

このちゃぶ台はお母さんの嫁入り道具です。

そして中央に置いてから。

お兄ちゃんと.....甘と蜜が上がって来るのを待ちました。


お母さんお父さん。

貴方達からもらったものは全部.....輝いています。

だからもう心配は要らないです。

天国で安らかに眠って下さい。

それが私の最大の願いです。

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