プラスとマイナス
勝利だギューちゃん
第1話
今日は、降水確率が100%。
もう、雨が降るのは確実。
しかし・・・
自慢じゃないが、私は晴れ女。
大雨の日でも、私が一歩外に出れば、
それまで、号泣していた空も、笑みを浮かべる。
お天道様が、顔を出す。
そして、屋内に入ればまた号泣する。
どうやら、雨雲には嫌われているようだ。
「あんたといると、傘いらないわ」
友達に、よく言われる。
現にまだ、雨に濡れたことはない。
もし、日照りで困っている地区にいったら、弱り目に祟り目。
間違いなく、嫌われる。
私の名前は、青空陽子。
名は体を表すだ。
両親には感謝。
そんなある日、友達に一人の男の子を紹介される。
「あんたとは、正反対だから」
合コンとかには興味はないけど、正反対というのに、興味があった。
なので、その男の子と出会うことになる。
今日は、降水確率が0%。
間違いなく日本晴れ。
しかし・・・
自慢じゃないが、僕は雨男。
日本晴れでも、僕は一歩外に出れば、とたんに大雨に見舞われる。
それまで、微笑んでいた空も、号泣しだす。
お天道様が、隠れてしまう。
そして、屋内に入れば、また日本晴れとなる。
「お前といると、外では遊べないな」
友達に言われる。
現にまだ、陽の光に照らされた事がない。
もし、日照りで困っている地域に行ったら、手放しで歓迎される。
『雲の上はいつも青空』
若草物語の、ウォルコットさんの名言だ。
その言葉に希望を持っているのか?
僕の名前は、雨野降雄。
名は体を表すだ。
苗字はともかく、この名にした親を怨む。
そんなある日、友達に一人の女の子を紹介される。
「お前とは、正反対だから」
合コンとかには興味が、正反対というのに、興味があった。
なので、その女の子と出会うことになる。
当日が来た。
「なんかおかしい」 「なにか変だ」
空は日本晴れでもなく、号泣もしていない。
曇り空。
小雨が降り、陽の光がかすかに差し込んでいる。
「こんなの、初めて」 「こんなの、初めてだ」
不思議に思い、指定された場所へ行く。
友達は、同行しない。
確か、目印を持たされた。
「アジサイの花の模型」 「ひまわりの花の模型」
何か意味があるのか?
考えているうちに指定の場所についた。
すると、同時に今回の待ち合わせの場所に、相手も来た。
「ひまわりを持っている。間違いないわ」 「アジサイを持っている。間違いない」
そして、同時に声をかけた。
「初めまして」
声がかぶる。
「君が、雨野くん?」 「君が、青空さん?」
同時に頷いた。
間違いない。
しかし、このはっきりしない天気は何だろう?
相手も疑問に思っているようだ。
「私は晴れ女で、雨雲が逃げるんです」 「僕は雨男で、お天道様が隠れるんです」
なるほど・・・
正反対というのは、こういう意味・・・
極度の晴れ女と、極度の雨男。
二人が出会ったら、空はどうなるのか・・・
それを、確かめたかったのか・・・
答えは、この空か・・・
「でも、せっかくだから、雨野くん」 「せっかくだから、青空さん」
冷やかして合わせた、連中の期待を裏切ってやろう。
意見は一致した。
さてと・・・
この天気に一番ふさわしい、デートスポットはどこだろう?
ふたりで歩きながら、考えればいいか。
時間は、たっぷりとある。
プラスとマイナス 勝利だギューちゃん @tetsumusuhaarisu
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