第17話

莉花 side



「へ?」

「……まぁ、それは冗談だけど(笑) お互いの家族に会ったりしようゼ?」

「もー……会ったら、別れにくくなっちゃうよ?(笑)」

「え?」

「夏生はまだ若いんだしさ、私が縛り付けてて良いのかな?って思うの(苦笑)」

そう言うと

「莉花……」

と夏生は真面目な顔をして、言った。

「もー……どうしたの?」

「俺は莉花に"縛り付けられてる"って思ってねぇよ?初めは莉花に言われて……だったかもしれねぇけど、それ以降は俺の"意思"だから。」

そう言ってくれた夏生がなんだか男らしくて……うるうるしてくる。

「もー、泣くなって。……あ、莉花の家着いたな。俺もお母様に"挨拶"して行こー。」

ん?挨拶?

「ちょっ、"挨拶"とか良いんだからね!」

「え?や、必要でしょ?入ろ入ろ。」

夏生に押されて、玄関をくぐる。

「ただいまー。」

「おかえりー。あら……こんにちは。……あ、いつも送ってくれてる莉花の彼氏よね?」

「あ、はい。はじめまして。」

「こちらこそ、はじめまして。莉花の母です。莉花より年下だって聞いてます。……あ、どうぞ。今日は主人と莉花の弟も揃ってます。上がって行かれますか?」

え?

「ちょっと、お母さん!それは"迷惑"でしょ?」

そう言うと

「や、莉花……」

と夏生に制された。

「ありがとうございます。……良いんですか?」

「あ、はい。"夜ごはん"食べて行かれたら?」

「あ、はい。いただきます。失礼します。」

2人で上がる。リビングに入ると……

「あ、姉ちゃん……おかえり。……そちらのかたは?」

弟の春人が居た。

「ハル、ただいま。こちらはね、私の彼氏♡」

そう紹介すると……ハルは夏生を下から上まで一瞥した。

「はじめまして、小林夏生です。」

「こちらこそ、はじめまして。佐山春人です。姉がいつもお世話になってます。」

「あ、ハルはね……いちばん下の弟。夏生より年下かな?」

「あ、ホントに?……あ、30になったばっか?」

「はい。確か……真生ちゃんと"同い年"だったっけ?日陽さん、元気?」

「うん、元気♪……あ、こないだ一緒に写真撮ったの( *´艸`) 見て見て♪」

そう言って、このまえの写真を見せる。

「ふっ、元気そう。……ん?この男、誰?」

「え?あー、蓮くん。"ひな"の彼氏なの。」

私がそう言うと

「っで……俺の先輩なんだ。」

と夏生が補足した。

「へぇー。あ……父さん、呼んでくるわ。」

春人はそう言って、その場を離れた。

「莉花……俺、なんかマズいコト言った?」

「んーん。ハル、私のコト……大好きだから、彼氏連れて来た時点で気に食わないのかも?(苦笑)」

「ハルにも困っちゃうわよね(苦笑) そろそろ"姉離れ"して欲しいモノだわ(苦笑)」

リビングに来ていたお母さんが言った。

「ホントに(苦笑) こんなんじゃ、私が嫁行ったら……どーなんのか?(苦笑)」

「あら?貴女たち、そんな予定あるの?」

お母さんがそう聞くと……

「はい!」

「んーん……」

夏生と私はほぼ同時だった。

「え?どっち?(笑)」

「あー、一応私の歳を考えて……"結婚前提"で付き合ってる(苦笑) でもね、夏生はまだ若いし……縛り付けたくなくて(苦笑)」

そう言うと

「莉花!俺は"縛り付けられてる"って、思ってねぇし!さっき言ったじゃん!」

と夏生は怒って来た。

「まあまあ……あ、"ネギ肉"作ってあるわよ。今、用意するから……手ぇ洗って、漱してきなさい。」

お母さんにそう言われて、夏生と一緒に洗面所へ行った。

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