ライディファンページでの活動 04年(平成16年)

 そう、あったのだ。ライディ好きが集まるファンページが。


 それは、「やまの趣味のページ」というWEBサイトの中にあった。


 このファンページのすごかったところは、単にファンが集まって語るだけのところではなかった、という点である。


 ファンページは、主には、


 ・攻略情報

 ・1、2のCG掲載(ZYX公認)

 ・二次創作小説、イラスト掲載


 といった構成になっており、特にすごいのは、CGと、二次小説のコーナーである。


 まず、CGは、ファンページの管理人のやま(ハンドルネーム)さんが、ZYXの許可を得て、1と2のHシーンが全て掲載されていた。


 実際にゲームを入手するまで、雑誌や攻略本で、一部のCGしか拝めていなかった自分にとって、ここで全部見ることができたのは、非常にありがたかった。(ただ、おかげで、実際にゲームをプレイした時、新鮮な感動が無かったのも事実であるが笑)


 そして、さらにすごいのは、二次創作の小説ページに、1と2のシナリオライターであった朝凪軽さんの短編が掲載されていたことである。


 ちゃんと、ゲーム中のワンシーンとしても使えそうな内容になっており、非常に貴重でレアな短編だった。いまは、ファンページは消えてしまっているので、アーカイブからなんとか拾ってくるしか方法が無いのは残念である。


 私も羅針人名義で、「淫魔獣の系譜」という二次創作の小説をアップしていた。ただ、ファンページの身内は誉めてくれたけれど、正直ライディ物としてはカテエラな内容であったので、そこまで話題にはなっていなかった。


 たしか、SMRPG万歳(ハンドルネーム)さんの書いていた小説は、人気だったと思う。やはり、みんな、ライディがボロボロにされている描写を読んでみたい、ということだろうか。


 リメイク版の発売と、その失敗に伴い、ファンページの勢いも失速していき、いつしかWEB上から消えてしまったのであるが、その末期の頃には、ファンページ外のところで、別の動きもあった。


 シナリオライターの朝凪軽さんとの交流である。


 ちょっと憶えていないのは、あれはファンページの方か、朝凪軽さんのWEBサイトだったか、とにかくチャットルームでよく会話をしていた記憶がある。


 みんなライディが好き、という共通点で集まっている者達なので、チャットルームでは自然と話が弾んだ。


 朝凪軽さんの口から、ライディ制作秘話も語られたりして、ファンにとってはたまらない日々であった。


 当時サービスを開始したばかりのゴルフゲーム「パンヤ」をみんなで遊んだりもした。ここまで来るとライディとは何の関係も無いが、大学のサークル的なノリがあって、これはこれで楽しいものがあった。


 ビッグタイトルでも無いのに、ここまで愛されたゲームというのも、そうそう存在しないだろう。


 おそらく、レトロなゲーム特有の、「あまり多くを語らない」からこそ惹かれる魅力があったのかもしれない。


 断片的に与えられた情報から読み取れる世界観。その中で生き生きと動く個性的なキャラクター達。欠けた部分を、自分達で補完していくうちに、いつしかライディの世界の虜になり、コアなファンとなっていく。


 ライディは、朝凪軽さんの作品であり、ZYXの商品であったが、みんながワイワイと楽しめる余地のあるゲームでもあった。


 もしも、ZYXが、そのあたりの人気の原因を、正確に把握していたなら……いまごろ、ライディは、アリスソフトのランスシリーズのように、息の長いシリーズになっていたかもしれない。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る