キミとの帰り道
人生
0 序文、あるいはあとがき
その昔、俺はとあるサイトに小説を投稿していた。
もはや思い出すだけで痛々しい黒歴史――いわゆる「俺TUEEE小説」である。
自分と同じ名前の主人公がチート能力で異世界無双する……そんな夢想。妄想だ。
拙い文章、ありきたりな展開……あぁ恥ずかしい。ただ、それでも後半には手馴れてきて、文章力も構成力もまあまあの出来に仕上がっていたように思う。そのお陰か、多くはないものの少なからず読者がいて、たった1PVではあるものの、最終話まで読み続けてくれた人もいた。
一応の完結までたどり着いた俺の初めての小説。最初で最後の作品。感慨深い気もするが、やはり忘れてしまいたい黒歴史であることにかわりない。
あれ以来、小説は書いていないし、読み専と化していたサイトのアカウントもしばらく前に削除した。
私生活でも、学校以外では文章と呼べるものはほとんど書いていない。
そんな俺が――スマホの上ではあるが、人に見せるための文章を書くことになったのはなぜか。
きっと誰も想像できないだろう。というか、たかが男子高校生の心境の変化に興味を示すなんてよっぽど暇か、ちょっと変わってる人ぐらいではなかろうか。
だけど、もう少し多くの人たちの好奇心を刺激することが出来る。
短いながらも作家を自負していたあの期間に培った技術をお見せしよう。
俺はたぶん、遺書を書かされている。
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