第26話焼き鳥ならぬ……

3日目の朝。


起きたら、家具や食材を空間魔法に入れて家を消した。



「凄い……」


「わぁーほんとに魔法で作ってたんだ~」


「うん、魔力ごっそり持っていかれるけどね……」


この数日で私達は、とっても仲良くなれた……と思う。


「……そうだ、もうこの国に未練は、無い?」


「……お母さんや、村の人死んじゃったから私たちの大事なものって」


「私達双子と、ナナ姉しかないっ!」


「……ありがとう!……じゃあ出ようか。朝ごはんは、モナの上で食べようね。」


「「え?」」


「モナ」


「かしこまりました、ご主人様。」


そう言ってモナは、3人が乗れるぐらいの大きさ(だいたい横幅3m、縦幅5m辺りかなー)になる。


「じゃあ乗るよ。」


「「いやいやいやいや」」


「大きくて乗れないです。」


「そうだよ!ナナ姉、落ちちゃうよ!」


「大丈夫。私の神糸が落ちないように固定するから。王城からここに来る時もそうやって来たんだよ。」


「ナナハ姉様、凄いです……」


「でも、そしたら目立たない?夜ならまだしも朝だよ~?」


「そこは、私の隠密スキルとモナの実力で……それに体術2人とも持っているでしよ?大丈夫大丈夫……」


「かしこまりました。」


チラッとモナを見ると、私の言いたいことを分かったのかそう返事をしてくれる。


「まぁ、とりあえず乗ろっか。」


私は、空間魔法から神糸と神針を取り出し、神糸で神針と私の太ももで固定して、服の下に隠す。


いつ戦闘になっても、戦えるようにしないと……


私は、体術でジャンプ力を上げてモナの上に乗り、神糸で落ちないように固定する。


イメージは、シートベルトだね。


「おいで、2人共。」


2人は私と同じ様に、ジャンプして乗った。


「ナナハ姉様、落ちそうです。」


「う~、ナナ姉どうしたらいいの?」


「ちょっと待ってね。そこに座って。」


私の言う通りに座ってくれたので、神糸で固定していく。


「モナ、きつい?飛べる?」


「大丈夫です。」


「2人共、これで落ちないようになったから、安心して?」


「ナナハ姉様、凄いです!」


「わ~ふわふわだ~。何か糸みたいなのが私に絡みついているんだけど……」


「それは、飛びながら話そうかな。時間かかるでしょ?」


「はい、2時間近くかかるかと。」


「了解。じゃあ、隠密かけるから、アガネスト帝国の人目につかない場所に降りて。出来れば仕事がありそうな所。」


「かしこまりました。」


そう言うとモナは、飛んだ。


「「「わぁぁ」」」


綺麗。一面緑なのに、奥に花畑があったり、村が何個かあったり……


私は、2人が景色を楽しんでいる間にいそいそと朝ごはんの用意する。


何か家を消した時から、体が軽いんだよね。魔力だいぶ回復したのかな?


私は、ステータスを見る。


……うん、ちょこっと減っているけどほとんど回復してる!


ん~朝ごはん何がいいかな~炊いてあるお米は、もう無いし……お肉たくさん。茹でただけのやつもある。


ん~ヨーグルトとハチミツは、大量にあるし……


……炙る?


ルルーの炎火魔法で、訓練にもなるし……


焼き鳥見たいな?


私は、植物を生やすもので綺麗な串を作り、胡椒の実を神糸で軽く砕いて、お肉もカットし、串に指す。


そこに砕いた胡椒をふりかけ……


「はい、ルルー。魔力操作のおさらいだよ。この串に指したお肉を中までじっくり炙ってみようか。」


「はい!!」


ルルーは、肉串を受け取り、小さい火を指先に出して炙ってる。


その間、リリーと2人で肉串を作っていく。


……あ、いい匂いする……


私は、器を出してどんどん乗っけてもらう。



「完成!焼き鳥ならぬ、焼き兎!」



「「美味しそう(ジュルリ)」」



うっ!キラキラした目でこっちをみてくる。


「はい、どうぞ。」


私は、2人に焼き兎を渡す。結構作ったし、大丈夫でしょ。


ŧ‹”ŧ‹””ŧ‹”


「「ん~!!」」


「ど、どうした?」


「「美味しい!!」」


まぁ、確かに美味しいけど……そこまでいわなくても……手抜きだから……


「まぁ、よかった。」


あ、モナのもいるな……


「モナ、どうする?いつ食べる?1回降りよっか?」


「いえ、平気です。私は、着いてから食べようかと……もうすぐ着きますよ?」


「了解!ありがとう。」


よし!仕事探しから始めますか!




……あ、そうだ。そういえば、糸のことを話すのを忘れていた。


「この糸はね、私の仕事道具だよ。」


「「糸が?」」


「うん、剣士は、剣が仕事道具。魔術師は、杖が仕事道具。暗殺者ならナイフなど色々あるけど、糸や針で私は、人を殺したり、気絶させたり、拘束したり、戦闘不能にしたりと色々使えるんだ。」


「「へ~」」


「2人は体術と剣とナイフだねぇー」


「でも、私達武器持ってないです。」

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る