第3話 ジャパロボ3

「起立!」

 自衛隊のアーミーな服装をした人間が3名。

「祐奈教官に敬礼!」

 ピッと若い二人の自衛官は祐奈に対して敬礼をする。

「zzz。」

 しかし祐奈はいつものように寝ていた。

「起きてくださいよ!? 祐奈教官!?」

「ダメよ。この人。いつも寝てるんだもの。」

「カッコイイ! 眠り姫は私の憧れの人なのだ!」

「こいつもダメだ・・・・・・。」

 若い自衛官の良し悪し。

「でも大丈夫。祐奈教官を起こすのにはコツがあるのよ。」

「コツ?」

「祐奈教官、綾ジャパロボ幕僚長ですよ。」

 若い自衛官は祐奈の耳元で囁いた。

「おはようございます! 綾教官! どうか命だけはお許しください!」

 祐奈は背筋まで伸びて冷や汗をかきながら敬礼している。

「起きた!? 祐奈教官が起きた!? なぜだ!?」

「どうもパイロット時代に現幕僚長の綾教官に散々しごかれたそうよ。それがトラウマで綾教官が目覚まし代わりみたいなの。」

「綾教官!? 綾教官はいずこに!?」

 周りを見渡すが綾教官はいない。

「騙したな!? 階級が私より下の分際で!? おまえたち! 裸逆さ吊りの刑だ!」

「そんな酷いことをされてきたのか!? そりゃあ、トラウマになるわな。」

「祐奈教官。私たちにパワハラをすると綾幕僚長にチクりますよ。いいんですか?」

「じょ、冗談だよ!? 早く全国ジャパロボ大会予選の報告を行ってくれたまえ。」

 ようやく本題に入る。

「が、その前におまえたち二人の名前を決めないことには話が先に進まない。」

「え?」

「キャラクターに昇進だ。」

「やったー! 自分の名前が持てるんだ! これで司会進行の自衛官のお姉さんって呼ばれなくていいんだ! アハッ!」

 とても喜ぶ名無しの権兵衛。

「え? おまえ、今まで名前がなかったの!?」

「え? あなた名前があったの!?」

「私には竹内優子というれっきとした名前がある! 勝った!」

 ここでネタばれる。竹内優子の正体は、なんと自衛官パイロットであった。

「司会進行の自衛官の名前は佐々木にしよう。おまえの名前は佐々木麻衣だ!」

「佐々木麻衣! やったー! 私の名前だ! アハッ!」

 大喜びの麻衣。

「勿体ないのでチーム祐奈に、もう一人新入りを投入する。」

 アイドルの名前を2人を割って作るので1度に2人創作できる。

「新入り!?」

「ジャパロボのメカニックの白石久美だ!」 

「宜しくお願い致します。」

「こちらこそよろしく。」

 こうしてメカニックの久美も参加する。

「在り来たりな名前ばかりですね?」

「だってテレビに出てくるようなアイドルしか知らないんだもの。」

「祐奈教官は寝てばかりですからね。」

「zzz。」

「寝るな!?」

 見事に1話で終わらなかった試作会。

 つづく。


「それでは全国ジャパロボ大会予選会の報告分析会議を始めます。」

 司会進行の麻衣が仕切る。

「zzz。」

 いきなり祐奈は寝ている。

「起きてください!? 祐奈教官!?」

「最初に寝るお約束の場面を描いていた方がいいかなと思って。アハッ!」

 意外に気配りができる祐奈。

「苦いコーヒーを入れますね。」

「ありがとう。」

 チーム祐奈の会議が始まる。

「それでは最初のお題だが、この「チーム祐奈」を普通に「ジャパロボ19」にしてはいけないのかね?」

 神妙な面持ちで話を切り出す祐奈。

「さすが! 祐奈教官だ! どんなに眠っていても戦いのことを忘れる人じゃなかったんだ! カッコイイ!」

 優子は祐奈に憧れて自衛隊のジャパロボのパイロットに志願した。

「バカ師弟め。」

「ごめん、メカニックの私からすると、全く理解できない会話なんだけど。」

 初参戦の久美はチーム祐奈の会話についていけなかった。

「私から説明します。敢えて外した理由は、優子の正体がネタバレしちゃいます。」

「ええー!? 私の性ですか!?」

「ネタバレって、ダメなの?」

「とりあえずダメです。ということで、これを続けて読んだ人だけ分かるというストーリー構成ですね。」

「・・・・・・なんだ!? この会議は!?」

 この会議の会話レベルに困惑する久美。

「ご飯もある?」

「祐奈教官、炊飯器に水を入れるの忘れたでしょう。お焦げばかっかりできてますよ。」

「そんな!? お腹空いたよ。」

 腹が減っては会議はできね。

「次にチーム祐奈の自衛官の女子会的なノリなので、報告会議という体裁は取っていますが、ただの今後の創作をする場なので、純粋にさとみ中心の「ジャパロボ19」とした場合にどうなのかな? ファンはショックや衝撃を受けるのではないか、という疑問があるからです。」

「それなら仕方がない。」

「大丈夫ですよ! きっと国民的レジェンドの祐奈教官のファンなら許してくれますよ!」

「それはおまえだけだ。」

「アハッ!」

 麻衣は冷静に議事を進めていく。

「クッキーはいかがですか?」

「美味しい。アハッ!」

 和気藹々とした会議。

「祐奈教官、どうしますか? 今話の尺がもうないんですが。」

「初めての会議だし、自己紹介でもするか。私は広瀬祐奈。シングルマザーで二人の遺伝子操作で生まれた娘がいる。趣味は寝ること。苦手なモノは料理です。」

「私は佐々木麻衣です。祐奈教官の助手をやっています。趣味は不明。苦手なモノも不明です。あだ名はアンノウン麻衣です。」

「私は竹内優子。祐奈教官に憧れて自衛隊のジャパロボのパイロット候補生に志願しました。どこまでもついていきます! 祐奈教官!」

「私の名前は白石久美。数字とメカしか信じないロボ女です。趣味はジャパロボいじり。嫌いなモノは、いつまでたっても始まらない会議だー!!!!!!!!!!!」

 こうして次回こそ報告会議が始まる。

 つづく。


「久美が怖いので会議を始めます。」

 いよいよ全国ジャパロボ大会予選の報告会議が始まる。

「zzz。」

 しかし祐奈はお約束なので寝ている。

「あの、祐奈教官の体内に特製! 綾教官目覚ましを内蔵しましょうか?」

「それはやめて頂戴。祐奈教官が死んじゃう。」

「起きてください!? 祐奈教官!? 雪山で寝たら久美が出ますよ!? じゃなかった。熊が出ますよ!?」

 優子は祐奈を雪山で起こす。

「ふわ~! よく寝た。お約束です。」

「この人、本当に教官か!?」

 掴みはOK。

「まず東京大会の予選から報告します。100万人が参加した東京予選。最終的に東京代表に内定した者が5名。一人目が広瀬さとみ。」

「はいはい! 私の二番目の娘だよ! 私の娘なんだ! 私が育てたんだよ! アハッ!」

「うわあ!? 祐奈教官は親バカだったんだ!?」

 自分の娘を自慢する祐奈。

「実に興味深い。祐奈教官。この子のジャパロボは何ですか? 最新鋭のジャパロボを開発担当している自衛隊のメカニックの私ですが、娘さんの乗る緑のジャパロボなど見たことがないんですが? 開発元はどこですか? どこの国産のジャパロボですか? それとも自衛隊で開発して私の知らないルートで娘さんにテストパイロットをやらせているんですか?」

 久美のメカニックとしての脅威の探求心である。

「やめなさい! 白石メカニック! そんなにいっぺんに質問したら。」

「クルクル~、目が回る。」

「祐奈教官が耐えられないでしょ。」

「大丈夫ですか!? 祐奈教官!?」

 祐奈は難しい話になると目が回ってしまう。

「私は知らないぞ。さとみには普通の高校生用のジャパロボを買ってあげたんだもの。」

 普通に軽自動車レベルのジャパロボ。

「一つ普通と違う所いえば、ジャパロボに搭載してあるAIが人型ロボットで、私の亡きAIロボットの明治天皇の後継機ということぐらいかな。」

 明治天皇は祐奈の寝相の悪さで粉々に大破して天国に行った。

「あの子に新しいジャパロボを買うお金もないし、私はクレジットカードは持っていないし・・・・・・なんでだろう?」

 母親の祐奈もさとみが、どこで風の精霊シルフィードのジャパロボを手に入れたのか知らない。作者もどうやって、風の精霊シルフィードのジャパロボなんかを登場させたかを既に忘れている。

「まさか!? うちの娘が売春!? ああ~!? さとみが不良になっちゃった!? 私は母親失格だ!? ウワアアアアアー!?」

 狂喜乱舞する祐奈。

「教官!? しっかりしてください!?」

「誰か!? 綾子幕僚長を呼んできて!?」

「それは困る。さあ、会議を続けよう。アハッ!」

「ズコー!?」

 これでも自衛隊の会議は進んでいく。

 つづく。


「東京都代表の2人目が、石原すず。」

 全国ジャパロボ大会に向けて東京予選の報告かいが続く。

「zzz。」

 いつものように寝る祐奈。

「祐奈教官を起こすのをやめるっていうのはどう?」

「そうだね。寝かしておいてあげよう。お疲れだし。」

「その方が会議が進んでいいんじゃないか。」

 麻衣、優子、久美の三人の意見が一致した。

「どうして起こしてくれないの!? そこはツッコんでくれないと困る!? 祐奈、寂しい!?」

「狸寝入りだったのか・・・・・・。」

 こんな掴みもOK。

「すずちゃんはさとみの同級生だ。本当に良い子なんだ。私に飴玉をくれる。」

「飼いならされてますね。」

「ワン。」

 教官になっても祐奈は祐奈だった。

「でも、このすずって子も正体不明の赤いジャパロボに乗ってます。こんな機体は初めてだ!? さとみちゃんと同タイプのようですが!? ブェラーリ? ランホルギーニ? いったいどこのジャパロボだ!?」

 メカニックの久美は興味津々で目が輝く。

「まさか!? うちの祐奈を夜遊びの道に引きづり込んだのはすずちゃん!? 新しいジャパロボが欲しいばっかりに二人で汚いおじさんの相手をしているなんて!? やめてくれ!? 援助交際何て!?」

「ダメだ。この人。娘のことになると国民的英雄さが全くない。」

「親バカですね~。」

 麻衣と優子は白い目で祐奈を見る。

「東京都代表の3人目。前回の全国ジャパロボ大会の準優勝者、広瀬イリスです。」

「うちの長女です! スゴイでしょ! 全国ジャパロボ大会で2位ですよ! やっぱり高校で三連覇した私の血を引き継いでいるんですよ! ワッハッハー!」

 自画自賛の祐奈。

「イリスちゃんも、さとみちゃん、すずちゃん同様に青い正体不明のジャパロボに搭乗しているんですが、どこで手に入れたんでしょうね? 祐奈教官。二人の娘のお母さんなら当然、知ってますよね?」

「し、知っているわよ!? 二人は駄菓子屋で一番くじを引いて新しいジャパロボを当てたのよ!?」

 そんな一番くじは売っていない。

「知りません。私、嘘を吐いておりました。ウエ~ン! 私は母親失格だ!? 思春期の娘二人が母親の私に秘密を持っているなんて!? ショック!? きっと悪い男に引っかかったんだわ!? それで脅されているのよ!? きっとそうに違いない!?」

 相変わらず狂喜乱舞する祐奈。

「娘さんに聞いてみたらいいんじゃないですか? どうやって新しいジャパロボを手に入れたのか?」

「久美ちゃん、偉い! その手があったか! アハッ!」

「この人はいったい!?」

 3人の冷たい視線が祐奈に突き刺さる。

 つづく。


「東京都代表の4人目が優子。」

「はい! 私です! 見てくれましたか!? 私の七転八倒の大活躍を!?」

 竹内優子の正体は、自衛隊のパイロット候補生だった。

「zzz。」

 いつものように祐奈は寝ている。

「祐奈教官!? 寝ないでください!?」

「ついつい。お約束なもんで。アハッ!」

 掴みはOK。

「この件は毎回いるのかしら?」

 メカニックの久美にお笑いは通じない。

「久美ちゃん、学生時代にガリ勉とか言われなかった?」

「言われました。それが何か?」

「お友達いなかったでしょ?」

「いませんでした。それが何か?」

「私の恋人はメカだー! なんか文句あるか!? それから上記の様な質問はパワハラです! 綾幕僚長に報告しますよ!? いいですね!?」

 遂に久美がキレた。

「ごめんなさい! ごめんなさい! もうしませんから! 綾教官にチクるのだけはおやめください! 神様! 仏様! 久美様!」

「分かればいい。分かれば。」

「上官が部下に謝ってる・・・・・・。」

 開かれた自衛隊の上下関係である。

「話を元に戻します。優子のジャパロボは自衛隊のアミーカラーを黒塗りで隠しています。日本帝国自衛隊の量産機の性能を300パーセント増しのテスト用のジャパロボです。」

 寸劇が始まる。

「早い!? 1体のジャパロボは通常のジャパロボの3倍のスピードで迫ってきます!?」

「3倍だと!? 奴だ!? 優子に違いない!? 黒い吹き溜まりの優子だ!?」

「誰が吹き溜まりですか!? 誰が!?」

「久美ちゃんものらないの。」

「ジャパロボのことなら冗談も通用するよ。」

 久美もチーム祐奈の一員になれた瞬間だ。

「優子、体の負荷がすごいと思うが大丈夫なのか?」

「はい。少しでも憧れの祐奈教官に近づきたいので、多少の重力ぐらい乗り越えてみせます!」

「まるで優子は強化人間みたいね。」

 優子は祐奈に声をかけてもらえるだけで幸せな気持ちになる。

「やったー! 祐奈教官が私の心配をしてくれた! 嬉しいなー! アハッ!」

「どうして優子はあそこまで祐奈教官を慕っているんだろう?」

「詳しくは知らないけど祐奈教官は優子の命の恩人なんだって。」

「へえ~。」

 優子の謎が生まれた。それは本編で。

「この機体の特徴は手足は着脱式なので、破壊されても補給すれば大丈夫なの。」

「それで私も助かったのだ。世界各国で戦う自衛隊のジャパロボには必須の機能だね。」

「もちろん優子ちゃんのジャパロボの開発は私がしています! エッヘン!」

「久美ちゃん、偉い!」

「もっと言って! もっと! もっと褒めて! 彼氏も作らないでジャパロボをいじってるのよ! ウエ~ン!」

 悲しい理系女子の恋愛事情だった。

 つづく。


「東京都代表の5人目・・・・・・ここからが本題です。」

 遂に会議に緊張感が走る。

「zzz。」

 祐奈は寝ている。

「起きてください!? 祐奈教官!?」

「いつもの癖で。アハッ!」

「これも作品のクオリティーです。」

 掴みはOK。

「5人目も現在、正体不明機です。」

「こいつは!? 私が代々木タワーで遠距離狙撃をしている時に、レーザーを放ってきた奴だ!?」

 会議室に映像が映し出される。

「レーザー砲というより、侍タイプのジャパロボだな。」

「ということは!?」

「レーザーというより、斬撃でしょうね。飛ぶ斬撃。」

「飛ぶ斬撃!?」

 飛ぶ斬撃に衝撃が走る。

「飛ぶ斬撃なんかできるものなのかい?」

「ビームサーベルやライトセーバーなんかは昔からあるわ。ビームライフルやレーザー砲としてエネルギーを飛ばすことは可能だけど、剣やソードとして、レーザーを飛ばすのは、まだまだ開発中のレベルね。」

「それとも誰かが開発に成功したのか?」

 正体不明のジャパロボの機体に謎が深まるばかりだ。

「東京都代表の5人目のパイロットの名前が・・・・・・小池麻理子。普通の日本人ね。」

 5人目の東京都代表の名前が決まった。

「もしかしたら所属や開発機関が違うのかしら?」

「大日本帝国自衛隊と違うとなると考えられるのは・・・・・・都庁ジャパロボ開発機関!?」

「でも、あそこは張りぼての天下り先でしょ?」

「でも予算はある。新しいジャパロボを開発するのは研究機関が必要だ。できそうな所といえば、東京都くらいしかない!?」

 国以外のジャパロボの開発機関が新たに登場する。

「なんだか雲行きが怪しくなってきましたね。祐奈教官。」

「zzz。」

「大切な話をしている時に寝ないでください!?」

 祐奈はよく寝る良い子です。


「麻理子。よくぞ全国ジャパロボ大会の出場を決めてくれた。」

 その頃、都庁の都知事室。

「大江都知事のお役に立てて光栄です。」

 東京都知事の大江百合子と全国ジャパロボ大会の東京都代表の小池真理子がいた。

「これで多くの補助金が国から貰えるだろう。もうジャパロボの最先端開発技術は自衛隊ではないということを教えてやる! ワッハッハー!」

「自分では戦わないくせに。」

 真理子は都知事のことを良く思っていなかった。

「なんか言った?」

「言ってません!? 都知事! 万歳! 万歳! 万々歳!」

「そう。私は偉いのよ! オッホッホー!」

「はあ・・・・・・。」 

 疲れる麻理子であった。

 つづく。


「おかしいな? スピンオフとか、サイドストーリーのはずなのにストーリー展開が面白いな。アハッ!」

 祐奈は自衛隊の会議でも楽しんでいる。

「zzz。」

「zzz。」

「zzz。」

 しかし麻衣、優子、久美は眠りこけていた。

「こらー! おまえら会議中に寝るなよ!?」

「だって祐奈教官が寝てくれないんですもの。」

「あ、そっか。私の性だね。ごめんなさい。」

 素直に謝るのが祐奈が部下から信頼される理由である。

「それにしても東京都ジャパロボ開発機関か。通称、都庁。新しい勢力を作ってしまって大丈夫か?」

「そうですね。たぶん自衛隊は大丈夫でしょうが、ハッキングで技術の流出とか、ジャパロボの強奪とか、心配ですね。」

「まさに機動戦士マンダムみたいなストーリーになってしまいますね。」

「マンダムなんか、タイトルを変えただけ、強奪の繰り返しですからね。」

「それでも儲かるんだから飽きることを知らないお金持ちのアニメファンに感謝だな。」

 作品が儲かるのはファンの皆さんのおかげです。

「ここで新たな課題が発生しました。」

「なに?」

「やはりジャパロボの名称を決めた方が引き締まると思うのですが。」

「やっぱり正式名称があるとカッコイイですよね。」

「風の精霊シルフィード・ジャパロボとか。火の精霊サラマンダー・ジャパロボとか。水の精霊ウンディーネ・ジャパロボとか。奇跡的な名称ですが綺麗にできたので、カッコイイ。」

 主人公って、やっぱりいいな。

「そうなると、自衛隊のジャパロボにも正式名称が必要ですよね。」

「今の自衛隊機って、バージョンは何体目なんだ?」

「5体目です。」

「久美ちゃん!? 分かるの!?」

「これでもメカニックですから。」

 メカニックの久美を登場させておいて良かったと涙が出る。

「初期のジャパロボが試作機のプロトタイプ・ジャパロボ。」

 これが第1回全国ジャパロボ大会の平等に全員同じ機体、同じ武器でスタートしたジャパロボ開発。ただのゲーセンのゲーム。それがジャパロボのスタート地点。

「初のジャパロボの量産機が量産型ジャパロボ。」

 これは試作機から10パーセントくらいの能力アップでジャパロボの権利を買い取った日本国政府が資金を出し量産に踏み切った。初代のジャパロボ大臣は祐奈の父親の森田だった。

「この時、私も同じ機体を使っていたけど、覚醒したんだよね。懐かしい。」

 祐奈はみんなの想いを集めて未知なるジャパロボの力を導き出しオーラを放ち、第2回ジャパロボ大会で祐奈は巨大なドラゴンを倒して破壊した。

「まさか!? ニュータイプ!?」

「いいえ。新人類です。新しい呼び方を考えよう!」

 あくまもニュータイプは使えない。

 つづく。


「ここにきて、初めて過去作を呼んだわ。カオスだ。一作として、まとまりがないというか、書籍化は難しいね。今なら認められる。盛り上がっているのは自分だけ。今回の「202010 ジャパロボ」みたいに1作の話としてまとまってないもの。」

 継続は力なり。祐奈も自身の成長を実感している。

「全て書き直そうか?」

「zzz。」

「こらー!? 上官の話中に寝るな!?」

「お約束なもので。アハッ!」

 掴みはOK。

「本題に戻りますよ。次は第3回全国ジャパロボ大会。東京都全域がエリアでした。この頃には自動車会社などがジャパロボの人気を認めてスポンサーに着いたり、メーカーの独自開発による新型ジャパロボ開発競争が起こりました。その最先端技術は自衛隊に集められました。」

「そしてできたのが祐奈専用ジャパロボ・エンペラーです。」

 ジャパロボのAIが明治天皇だったので、そこから皇帝という名前が付けられた。

「人間の感情をオーラを放ち未知の力を発揮するジャパロボ。これが自衛隊の最強機体でした。見事に自衛隊のエースパイロットになった祐奈教官は高校3連覇を達成しました。」

「そうです! 私は前人未到の3連覇を達成した唯一無二の存在です! アハッ!」

「寝ていてください。祐奈教官。」

 祐奈は胸を張って宣言する。

「その時のデータを搭載したのが、自衛隊ジャパロボ03量産機です。これの開発の成功により、日本国政府は全世界に侵略戦争を行います。唯一人型ロボットの開発に成功した日本政府はアメリカや中国を蹂躙した。戦争は1週間で終わり、日本政府はあっという間に世界征服を達成し、大日本帝国を宣言した。」

 この戦いが、後に1週間戦争と呼ばれるものであった。

「なんかジャパロボの正式名称を決めるだけだったのに、ジャパロボの歴史になっているね。」

「私は嬉しいですよ! メカニックとして最高に楽しい時間です! アハッ!」

「久美ちゃん、目が輝いているよ!?」

 久美はロボットが大好きである。

「祐奈教官が高校を卒業して、自衛隊に入隊してしまったので、自衛隊が全国ジャパロボ大会を管理するために新たに女子高生の優子を自衛隊のパイロット候補生として参加してもらったのが、第4回全国ジャパロボ大会。」

「まさか自衛隊の遺伝子研究機関が祐奈教官の細胞を培養してイリスを作成しているとは思いませんでした。」

「私だって、いきなり「今日から祐奈はお母さんね。」って言われて困ったもの!?」

「でも綾教官から言われたので反抗できなかったんですよね。」

「それを言うなよ。ガクン・・・・・・。」

「ワッハッハー!」

 和気藹々としたチーム祐奈。

 つづき。


「要するに全国ジャパロボ大会がある度にデータが取れるので、新しい自衛隊専用ジャパロボが開発されてきたということですね。」

 第4回ジャパロボ大会が開催されれば、自衛隊専用ジャパロボ量産型04ということになる。

「zzz。」

「やっぱり祐奈教官は寝てる方が似合うね。」

「このままじゃ終わらないから、本当に祐奈教官は寝かしておこう。」

「寝顔も素敵だ! 祐奈教官!」

 ということで祐奈には寝ていてもらおう。

「私が第4回全国ジャパロボ大会は優勝しました。」

「おかげで自衛隊のメンツは保てて良かった。」

「祐奈教官の遺伝子を持つイリス。メカニックからするとメカの常識を遥かに超えているんだが!?」

 恐るべし祐奈細胞。

「で、今回が第5回全国ジャパロボ大会です。これでデータを取って、自衛隊ジャパロボの05タイプを作ります。」

「スムーズだ。きれいにまとまった。」

「祐奈教官が寝ているだけで、なんて平和に物事が進むんだ!?」

「さあ、会議も終わったし、ドックに帰って半田ごてでたこ焼きでも作ろうっと。」

 無事に全国ジャパロボ大会の東京予選の報告会は終わった。


「zzz。」

 祐奈は誰も起こしてくれないので、眠り続けている。

「ふわ~! よく寝た!」

 祐奈は目を覚ます。

「あれ!? あれ!? みんながいない!? 麻衣!? 優子!? 久美!?」

 周囲を見渡しても誰もいない。

「・・・・・・私も帰ろう。」

 チームの隊員を探すのを諦めて帰ることにした。

「でも知らなかったな。私が20才で、17才と16才の娘がいるんだな。なんか不思議な気分だな。」

 祐奈20才の困惑。

「それでもイリスもさとみは私の家族だ。私は家長として二人の娘を立派に育てるんだ!」

 家族のように一緒にいたAIロボットの明治天皇が亡くなって一人ボッチになって寂しくなった時にイリスがやってきた。こんなに嬉しいことはない。

「よし! 今日はあの子たちに手料理を振る舞うぞ! スーパーで買い出しするぞ!」

 そして自らの手で大切な娘たちを死地に追いやる祐奈であった。

 つづく。

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