KA・GE・TSU (仮タイトル)
ハル
第1話 ひとり暮し
「やったー!念願の一人暮らし♪」
私、冬月 晶(ふゆつき あきら)18歳。
高校を卒業し進学する事になったんだけど学校から、そう遠くない
『KAGETSU』という小さなアパートに契約をした。
二階建てのアパートで可愛らしいアパートだ。
「挨拶回りは基本中の基本だよね!」
私は、一部屋、一部屋、訪れる事にした。
「は~い♪」
ガチャ
ドアが開く。
「………………」
「あ、あの隣の201号室に引っ越してきた冬月と言います。これ、良かったらどうぞ」
「あら~わざわざありがとう♪」
≪ん?この人は男の人?≫
≪もしや、おネエ系?≫
見た目カッコイイけど、ニューハーフと言うべきなのだろうか?
話し方が独特だ。
「女の子なのね~。男の子なら良かったのに~」
「すみません……期待外れで」
「まあいいわ~。女の子も大歓迎だから仲良くしましょ~♪」
「はい。宜しくお願いします。ところで、ここの住人の事で、お伺いしたいんですけど……」
「なぁ~にぃ~?」
「大屋さんは……?」
「あ~隣の203号室の、香月 瀏介(かげつ りゅうすけ)ちゃん」
「隣? そうなんですか?大屋さんも、こちらのアパートの住人なんですね……一応、さっきそうとは知らず声はかけたんですけど……」
「あ~…じゃあ女の子でも連れ込んでいるのかしら~?」
「彼女さんですか?」
「まあ…沢山の中の一人?いわゆるセフレ?」
「沢山の中の……一人? セフレ??」
≪セフレ?って?何?≫
聞いた事のない言葉に私は疑問を抱く。
「あっ!私、春西 一希(はるにし いつき)宜しくね~♪」
「あっ!はい!宜しくお願いします!」
「瀏ちゃんは…良い子なのよ~。まあ、慣れる迄は色々と大変かもしれないけど…それじゃ」
「はい。ありがとうございます」
私は、今一度、203号室を訪ねようとドアをノックしようとした時だった。
ゴンッ
ドアが開きオデコを直撃強打。
「いったぁ~!」
「じゃあねー、瀏ちゃん」
「ああ、バイバーイ」
女の人が部屋を出てきては私の目の前で、お構いなしにキスをすると謝る事なく女の人は帰って行った。
ドアが閉まろうとし私は慌ててドアを止めた。
「何? どうしたの? まだキスしたいの?」
顔を近付けて来る。
どうやら、さっきの彼女と思ったようだ。
「違っ…」
私は手土産で近付いている唇を止めた。
「あれ? 何か…感触が…」
「良く見て下さい!」
「えっ? あれ?」
私は手土産をおろす。
「誰あんた」
「201号室に引っ越してきた…」
「男じゃなかったんだ」
「あの!隣の人と同じ事言わないで下さいっ!」
「あー…一希ね」
「と、ともかく他の部屋も挨拶回りしないといけないので取り合えずどうぞ!」
グイッと肩を抱き寄せられた。
「きゃあっ!何する…」
「こんな物よりも、挨拶変わりに Hしない?」
「さっきしたばっかりじゃないんですか?冗談じゃないですっ!」
グイッ ドン
ドアに押し付けられ両手で行く道を塞いだ。
ドキッ
「君、イケてるし初めてじゃないんでしょう?モテてただろうし」
「か、勝手な思い込みは辞めて下さい!私はまだ…」
「………………」
「まだ何?」
私は押し退けた。
「SFなんてどう?」
「何ですか?それ…」
「えっ!? SF と言えば、セックスフレンドでしょ?それとも、セフレが分かりやすい?」
「セフレの意味が分からないんですけど?」
「……もしかして……君、H した事ない?女の子?」
「Hぃぃぃっ!?」
「………………」
「嘘!? その反応ってまだ? キスは? 」
「あ、あなたには関係ないでしょう!?失礼します!」
「下の階なら、まだ誰もいねーぞ!」
私は部屋に戻る事にした。
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