第33話中国単身赴任7(3)

 朝から紹介会社の李さんとタクシーで赴任会社に向かった!

 グループ企業は杭州近辺に数個の工場が有り、今回私を必要としている工場は杭州臨案工業団地に有ると言う。

 タクシーでも小一時間はかかったので、周りは正に田舎風で環境も良さそうな場所だった。


 応接室で社長(女性)と幹部数名で面談が始まったが、不審に思ったのは私が得意としている構造物ではなく、何でモーターの製造工場?

 しばらく私のこれまでの経験等を説明し、何故か雇用の決定が下りたのには内心驚いたものだ。

 帰りに李さんに聞いたところ、長年多くの職人を指導しながら育てた事が会社側では非常に気に入ったとの事らしい。


 帰国し任務に備えて翻訳機やら生活必需品をそろえ、あっという間に三月末で4月1日からの出社に備えた。

 先ずは専属通訳さんを紹介され、勤務中は私と一緒に行動するので何も心配はないらしい。

 章さんと言って、杭州の近くの田舎育ちで2歳の女のお子さんが居るが、主人とは折り合いが悪く別居していると言う。

 日本が好きでたまに日本で一人旅もやったことが有ると言うので、休日などは杭州の日本料理店に行ってお子さんと三人で食事をしたが、お子さんが天婦羅がとても気に入ったのを今でも記憶に残っている。

 李さんとは違って背もそれほど高くなく、南部の人らしくこじんまりした体系だったが、気配りが良く私も多いに助かったものである。

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