Day.19 カクテル
カクテル【美味しいお酒と友人と私】
お酒に詳しい友人が一人いる。私はお酒全般に対してとても疎いので、その友人とたまに飲みに行くのが楽しみだった。友人いきつけのお店へ連れて行ってもらい、カクテルだったらあれが美味しい、これなら飲みやすいはず、とあれこれ教えてくれる。お酒に強くない私でも飲みやすいものばかりで、友人とお喋りしながら飲むお酒は本当に美味しかった。
ある時。私が病気を患い、その後快復はしたものの主治医から『アルコール禁止』と言い渡されてしまった。友人にそのことを話すと
「じゃあさ、お酒じゃなくてお茶行こうよ」
と誘ってくれた。でも、それでは友人はつまらないのでは、と心配になって遠回しに訊いてみた。すると
「まあ、美味しいお酒飲むのも楽しいけどさ。あんたが元気で、あたしと一緒にいてくれて、笑ってくれることが大事なんだよ。だから、お茶行こ。良いカフェ知ってるから、ね?」
ありがとう、と返した声が涙ぐんでしまったのは、多分気のせいじゃない。
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