この歌が貴方に届く時 君は僕を救う あなたは私を救う

すばろう

始まりの歌

第1話 虐待 虐め

アパートの部屋から

少年の泣き叫ぶ声が、響く。


ーーーーーーくるしぃ息がぁぁ!!


母「泣き止めぇぇぇぇ!

  うるさい黙れえぇぇぇぇ」


ーーーーーーギャァぁぁァァ。


毎日、少年は、顔を殴られた後、

お風呂に貯めた水に沈められる。


少年「誰か助けてぇぇ」

 

苦しさに、少年は、助けを求め、泣き叫ぶ。


ーーーーーーーー


 

毎日母は、仕事から帰ると、

少年の部屋へと向かうと。

 

この一言から始まるのだった。


母「いつもいつも、その顔を見るだけで

   イライラする」

 

そう言い放った後、髪の毛を引っ張り、

少年の、顔を殴る事から始まる。


少年は、毎日殴られる事で、顔は腫れ

そして、至る所を、蹴られる事で、

身体中には、アザができていた。


母は、何故そんな事をするのかは、

仕事のストレスを、

少年を、虐待する事で、発散していたのだった。


その後、殴られ、体中を蹴られ、

痛みで、泣いてしまう少年に対して。


泣き叫ぶ声に、イライラし、

風呂に沈める事で、

少年を、黙らせようとしていたが、

何度か、少年を、風呂の水に、

沈めるうちに、母は、少年が苦しむ姿をみて

快楽を得ていた。


母「アハァハァハッハッハッハッハッ、

   何回やっても、楽しいわぁ〜」


少年は、沈められる事が、

苦しい為、必死に泣き止もうとするが、

声を、止めようと必死に我慢するが、

痛み、感情が、入り混じり

抑える事が、出来なかった。


だが、少年が、我慢して、

泣き止んだとしても、

母は、この行為を、止める事は、無かっただろう。


毎日、少年は、死ぬ一歩手前まで、

風呂の水に、沈められ、意識を失い、何度か、

病院のベッドで、目を覚ます事が多々あった。


医師「お母さん、何度も何度も

   お風呂で溺れるのは、おかしいですよ?

   それに身体中に、アザもありますし…」


医師は何度も、風呂で溺れる事に、

疑問に思い、母に、といかけるが、

証拠がない為、踏み込めないでいた。


母「うちの子は、鈍臭くて〜

   本当に、困ったもんです〜」


そういうと、医師は、返す言葉が無くなる。



そして、母は、少年を、病院から家へと、

連れ帰ると、

母は、少年に、吐き捨てるように言うのだった。


母「あんたは私の物なんだよ、

  どうしようが、私の勝手なんだよ!!

  もしも死んだとしても、

  裏山にでも埋めてやるわ」


少年の顔を見て、高笑いする母。



ーーーーアッハッハッハッハッハッ。


少年は、

毎日続く暴力を、母の愛情だと思うしか無かった、

少年には、逃げる場所も無く、

逃げる術も、無かったのだから。



ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


 

少年が、小学校に入る頃、

毎日続く暴力に、少年は、慣れてきていた。

 

その為、痛みで、泣く事は無くなっていた。

  

だが、母は、仕事での、

ストレス発散をする為に、

少年への暴力は、終わる事は無かったのだった。


ーーーーーーーーーーーーーーーーー


少年が、何故ここまで母からの、

虐待に、耐える事が

出来たのは、母が寝静まった後、

少年が、寝る前に、何処からか、聞こえてくる、

優しい歌声のおかげだったのだ。


その歌は、少年の、心の支えになっていた、

少年は、歌を聴きながら寝る事が、少年にとって、

唯一の楽しみだった。


ーーーいつもありがとぅ、おやすみなさい。


そして、少年は、優しい歌声に、涙を流して、

眠りについていた。


ーーーーーーーーーーーーーーーーーー



だが、少年が、小学校に入ると、

少年に、追い討ちをかける様に、

虐めが、始まるのだった。



少年が、少学校に、通ってから、

一ヶ月程経った頃の事だった。


母からは、服など与えられず、

いつも同じ、ボロボロの服を着ていた為。


同級生と、同級生の親からは汚い、

コジキと言われ、その噂は、

すぐに学校中に、広まっていた。



同級生A「ママが、あの子はコジキ、汚いから

     近寄ったらダメって言ってた〜」


同級生B「私の、ママも言ってたよ、

     じゃあ、あいつが、学校に

     来れない様に、するしかないよ」


そうして、同級生による、

学校での虐めが始まるのだった。

 

まず、最初に、起きた虐めは、

机に、ネームペンで、死ね、コジキ、ゴミ

と書かれる事からだった。


少年は、雑巾で、字を消すが、次の日には、

また、新たに書かれる言葉に、

諦め、少年の、机から字は、消える事が無かった。


そして、次に始まったのは、

鞄に虫をいれられる事だった、家に帰り、

鞄から教科書を出すと、虫が、鞄から出てくる。



そして、小学2年になると、

虐めは、更に悪化するのだった。


少年が、家に帰ろうと、靴を履くと、

靴には、画鋲が入れられていた。


ーーーーーーーーうっ。


少年の、足に刺さった画鋲から血が滴り落ちる。


ーーーーーーーポタッ、ポタッ……。


ーーーーークスクス。


同級生A 「血が出てる、

        ねぇ〜次は、どうする?」


同級生B「次は、

       椅子に画鋲置いておこうよ〜」


同級生C「面白そうだな、俺も混ぜてくれよ」


そうして、至る所に、画鋲が置かれる事になった、

痛がる少年の姿に、同級生は、

楽しそうに、笑っていたのだ。



学校で、配布される教科書には、

配られた日に、死ね、コジキ、ゴミ、

ネームペンで、ビッシリと書かれていた。


学校は、少年が、虐めを受けている事を、

知っていても、関わろうとしなかった。



校長は、担任の教師を呼び出し、

虐めのことを、心配するだけで、何もしなかった。


担任の教師は面倒だと、見て見ぬ振りをする。


ーーーーーーーーーーーーーーーー


ある日の授業中の事だった、

必要な物を買って貰えず、授業で必要な物を、

忘れ物をした事にされ、

怒られる事が度々、あった為、教師は、

怒鳴り声をあげる。


ーーーーーーーお前は、またかぁぁぁぁぁぁ!!!


 

買って貰えなかった事を、

少年が、いくら説明しても、聞いてもらえずに、

授業中に、少年は、教師に、首を持ち上げられる。


教師「お前はいつもいつも、

     どうして忘れ物をするんだぁぁ」


教師は、そう言うと、少年を殴る、

少年は、地面に転げ落ち、罵倒される。


教師「お前は、服も汚いし、風呂にも

    どうせ入ってないんだろ」



少年が、教師に殴られ、罵倒される姿を

同級生達は、笑っていた。



ーーーーーーアハハハハ。


ーーーーーーーーーーーー

 


学校では同級生からの虐め、

家に帰ると、母からの暴力。


少年が、小学3年生になった頃

毎日続く苦痛に、

少年の心には、限界が来ていた。


ある日の夜、母親が、男を連れ込むと

少年を、外へと追い出した。


少年は、行く場所など無く、

アパートの屋上へと向かい、

星空を眺め、屋上の端に座り込む。


ーーーー綺麗な星……吸い込まれそう…。



少年は、星空を、眺めていると

ふと下を、見る。


ーーーーーー


すると、

少年の頭に、ある事がよぎるのだった。


少年「ここから飛べば、僕は……

   自由になれるのかな……」


少年は、段差に足を乗せ、

飛び込もうと、足を出そうとした時だった。



女性の声が、聞こえる。


女性「待って!!お願いだから!」


少年は、周りを見渡すが、

誰も居なかった、だが、背後からは、

女の人の泣きじゃくる声が、聞こえる。


女性「今まで助けれなくてごめんなさい

   間に合って本当に良かっ…

   貴方が、大好きだった子守唄しか…

   聞かせ…あげ……ごめ……い」


女性の、声が途切れ途切れになっていく。


少年「君は、誰なの?」

 

少年は、周りを見渡しながら

女の人に問いかける。


女性「ごめんなさい、時間が無…の…

   こっちの世界で待って……

   色々辛い事があ……

   愛してるユウ……」


女性の声が聞こえなくなると同時に、

少年は、何かに吸い込まれるような、

感覚を感じ、目を閉じて、気が付くと。

 


周りは、見た事のない

景色が広がっていたのだった。

 

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