第4話:四期生全員集合。ポンコツ王は誰の手に? ぱーとつー

フウ :『き……、気を取り直して、次のマシュマロにいくポコ』


イツキ:『お姉さんはまだ途中――』


フウ :『それはもう良いからね! えっと、次は……』



[最近買ったものはなんですか?]



フウ :『最近買ったものですか……。ふうは服を買っちゃったポコ。今着てるやつポコ……。って、わわっ』


イツキ:『フウ、かわいいよ……』


エミリ:『フウちゃん、かわいい……』




 二人が抱きついてくるのでフウはアタフタとしていた。




ルル :『えっと、ぼくも抱きついた方が良いのかな?』


フウ :『そ、それはダメポコー! そ、それより、ルルちゃんが買ったものはなんですか?』




 二人に頬をスリスリされながら必死に進行をするフウ。




ルル :『えっと、ぼくはユキ先輩の記念ボ――』


フウ :『つ、次の質問行きます!!』




【コメント】

:危険を察したw

:この狸、できるw

:でも、捕まったままw




イツキ:『あらっ、お姉さんは聞かなくて良いの?』


エミリ:『(ぽこぽこ……)』


フウ :『ふう、叩かれてるからいいポコよ。叩くものがないからってふうを叩くな、ポコー!』


エミリ:『あっ、ご、ごめんね。つい……』


フウ :『ふうも質問が悪かったポコ。次の質問に移るポコ』



[尊敬する先輩は誰ですか?]



フウ :『それじゃあ、まずルルちゃんからどうぞポコ! この質問なら思う存分答えてくれても良いポコよ』


ルル :『尊敬する先輩……。もちろんユキ先輩だよ!! 臆病だけど、とっても優しい先輩。本当は人前に出るのも苦手なのに、みんなに喜んで欲しいからって頑張ってて、それが三期生みんなに伝わって、それが本当に良くて……。あとあと、ぼくが本当に困っていたときに無理を言ったら、笑って力を貸してくれて……。本当に頭の上がらない先輩なんだよ』




 ルルが少し早口になりながら、興奮していた。

 その様子を見てフウたちは微笑ましい視線を送る。




フウ :『確かにユキ先輩は良い人ですもんね。たまに逃げようとするけど』


イツキ:『ルルちゃんとのセットは目の保養になったわ』


エミリ:『私にも相談に乗ってくれるって言ってくれるくらい良い人ではあるね。もちろんルルちゃんは渡さないけど』




【コメント】

雪城ユキ🔧:わ、わふぅ……。ぼ、僕は何もしてないよ……

:公開処刑w

:今のシロルームを引っ張ってるのはユキくんだもんなw

:本人は段ボールに隠れてるけどなw




エミリ:『私はココネ先輩ですね』


ルル :『あー、分かる気がする。ぼくに対する扱いとか……』


エミリ:『ち、ちがうよ!? 確かにユキ先輩を見ると暴走するところはあるけど、他の時はしっかりとメンバーをまとめてるし、とっても優しい先輩ですよ』


ルル :『あ、あははっ……、そうですね。確かにエミリちゃんに少し似てるかも……』


イツキ:『ココユキは鉄板ですよね。お姉さんも好きよ。やっぱり女の子がイチャイチャとしてるところは良いよね。特にココユキは密着度が――』


フウ :『ほらっ、イツキちゃん。また変な方向に話が行ってるよ……ポコ』


エミリ:『三期生の仲の良さは羨ましいよね。私たちも負けていないけど』


フウ :『ふうたちはまだまだこれからポコね。これから三期生に負けないほど仲良くなるポコ』


イツキ:『お姉さんとしてもみんなが仲良くイチャイチャしてくれるのはおいしい……、ううん、嬉しいわよ』


フウ :『それならみんな変な方向へ暴走したらダメポコ! これからはどんどんコラボをして仲良くなっていくポコ』




【コメント】

:ココユキは鉄板だよな

:四期生は暴走枠だからどうまとめるかが問題になるな

:エミリンの尊敬する人はココママか。それっぽいな

:ユキルルを見ると暴走するw




イツキ:『お姉さんは当然だけどアカネ先輩よ。やっぱりえっちぃイラストを描いてくれるのは良いわよね』


フウ :『えっちぃのはダメだよ!? それにアカネ先輩、口ではそういってもあまり描いてないような……』


ルル :『ユキ先輩のイラストもとってもかわいいものでしたよね!?』


エミリ:『確かに暴走特急って言われてる割にはあまり暴走してない様な気がするね』




【コメント】

:暴走特急、昔はすごかったもんな

:今は飼い主がしっかり手綱を握ってるから……

:シロルーム代表にえっちぃイラストを送りつけたのは伝説だよな




フウ :『えっ!? あ、揚津あがつ代表に!?』


エミリ:『えぇ、そうらしいわね』


イツキ:『暴走特急と言われる所以ね。揚津代表も元々Vtuberだから』


ルル :『揚津代表? えっと、会長は違う人……だよね?』


フウ :『ルルちゃんは知らないポコか? シロルームは揚津代表と小幡会長が作ったポコよ。ツートップポコ』


ルル :『そういうことなんだ……』


イツキ:『あの暴走……、すごいわよね。惚れ惚れするわ……』


フウ :『イツキちゃん、お願いだからそんなことしないでね』


イツキ:『さすがのお姉さんでもそこまではできないわよ』




【コメント】

:よく無事だったよな

:むしろあれがきっかけで一期生に誘われたって聞いたぞ?

:元々アカネパイセンが一人だったんだよな




フウ :『イツキちゃんは少し心配ポコ。……えっと、フウはやっぱりコウ先輩ポコ。あのみんなをまとめ上げる姿はかっこいいポコ』


イツキ:『四期生はフウがまとめてるものね』


ルル :『えと……、ぼ、ぼくも手伝うよ?』


エミリ:『私も協力するからね』


フウ :『みんな……。手伝ってくれるつもりならもう少し暴走を減らしてくれると嬉しいポコ』


イツキ:『それは無理ね。えっちぃのは私の生きがいだから』


フウ :『わわっ!? だ、だからそれがダメポコよー!!』


ルル :『ぼくはそこまで暴走してないよね?』


エミリ:『私も全然暴走してないわね』


フウ :『二人とも正座ポコ』


ルル :『えっ!?』


エミリ:『ど、どうして!?』




【コメント】

:ポンは自分がポンだと知らずw

:ルルちゃんはユキくんを見ると暴走するもんな

:エミリンはそんなルルちゃんを見たら暴走するし

:フウちゃん、大変w

:返事してるけど、どうなるか




フウ :『そ、そろそろ次のマシュマロぽこ。今度は逆のパターンなの』



[好きな四期生は誰ですか?]



フウ :『ふうはもちろんイツキちゃんポコ。たまにちょっと恥ずかしいことを言うけど、それでもふうにとっては優しいお姉ちゃんポコ』


イツキ:『私もフウのこと、大好きよー!』


フウ :『わわっ、抱きつかないでー! って、服の中に手を入れてこないで!!』


エミリ:『私は四期生みんなのことが大好きよ!』


イツキ:『私もエミリのこと好きよー!』




 イツキはエミリのことも抱きしめてくる。




フウ :『って、イツキちゃんはいい加減にしてポコ!!』




 フウはようやくイツキを引き離すと威嚇してみせる。




ルル :『えっと、ぼくもみんなのことを好きだよ』


イツキ:『よしルルちゃんもお姉さんがハグハグしてあげよう』


ルル :『えと、それは遠慮しておこうかな』


エミリ:『なら私がするね』


ルル :『わわっ、だからダメだって!!』




 ルルはエミリに捕まり、足をバタつかせる。




エミリ:『ルルちゃん、かわいいよ……』




【コメント】

:やばい、暴走してるw

:三人のアカネパイセンを相手にしてるようなものだもんな

:四期生=暴走ポン組

:三人のコウパイセンを呼んでこないと!




フウ :『と、とりあえず、落ち着いて欲しいポコ。四期生は暴走ポン組なんて変な呼ばれ方をしてるポコ』


イツキ:『暴走組……良いわね』


フウ :『イツキちゃんはしばらく静かになの。ややこしくなるポコ』


エミリ:『うっ、それは確かに嫌かな』


ルル :『僕はそこまで気にしないけど……』


フウ :『とにかく、四期生正常化計画をするポコ』


ルル 『おー!』

エミリ『おー!』


イツキ:『お姉さんはポンなフウも可愛いと思うけどね』




【コメント】

:不服そうなイツキ姉様w

:ポンコツフウちゃんも可愛いかも

:全員ポンだとひどいことになるぞ!

:三期生のことかw




フウ :『つ、次は最後のマシュマロポコー』


イツキ:『はい、これね。読んでくれる?』


フウ :『わかったポコー。イツキちゃんもやっと真面目にしてくれるようになったポコ。えっと……今履いているパンツの色は何色ですか? ってえっ!? えぇぇぇぇ!?!?』




 質問を読み上げた瞬間にフウは顔を真っ赤にしていた。しかし、そんなことを気にすることなく三人は質問に答えていく。




ルル :『パンツかぁ……。今日は黒いやつかな』


フウ :『ちょ、ちょっと待っ――』


エミリ:『私は紫のレースよ』


フウ :『だ、だから、待って――』


イツキ:『お姉さんはもちろん履いてないわよ!』


フウ :『!?!? い、イツキちゃん!? は、履いてな……!? えっえっ!?』


イツキ:『次はフウね』


フウ :『!?!? うぅぅぅぅ……、だ、だからこういうところですぅぅぅ!! こんなにあっさり答えないで!!』


ルル :『フウちゃん、語尾……』


フウ :『ポコーーーー!!』




この放送は終了しました。


『《ルエイフオフ会》四期生だよ、全員集合。ポンコツ王は誰の手に?《天瀬ルル/魔界エミリ/姉川イツキ/狸川フウ/シロルーム四期生》』

2.5万人が視聴 0分前に配信済み

⤴8,291 ⤵12 ➦共有 ≡₊保存 …


チャンネル名:Ruru Room.天瀬ルル

チャンネル登録者数12.0万人




◇◇◇




 放送が無事? 終了した。

 ただ、立木は顔を真っ赤にして、すでに茹で蛸のようだった。




「みんなに言いたいことがあるの!」


「どうしたの? ついに観念してパンツの色を答える気になったかしら?」


「ち、ち、違うよ!? なんでこんな質問が紛れ込んでいるの!? 私、入れた覚えないよ!?」


「もちろんお姉さんが混ぜておいたからよ。シロルームと言ったらこの質問でしょ?」


「そうだけど……、そうだけど……」




 立木は宇多野のことを叩きながら不服そうな表情を見せる。




「まぁ、嫌なら無理に混ぜる必要もないんだけどね。でも、リスナーの人たちは盛り上がるよね」




 七瀬が宇多野に同意する。


 リスナーのことを最も大事にする。

 夏瀬ななが一躍人気になったそのスタイルは天瀬ルルとなった今も健在だった。




「でも、宇多野さんの場合、違う思惑があったよね? みんなのパンツ、聞きたかったの?」




 犬飼がジト目を向けていた。




「もちろんお姉さんは聞きたかったわよ!!」


「って、葵ちゃん!! やっぱりそうだったんだね!?」


「えっちぃ方向になるとみくちゃんはポンコツになるからね。ほらっ、暴走ポン組って呼ばれたくないんでしょ?」


「あぅあぅ、こんな質問、答えられるはずないよ!? 七瀬ちゃんも犬飼ちゃんもなんで普通に答えられるの!?」


「えっと、別に減るものじゃないかなって?」


「私もこの手の質問はくると思ってるから、決まった回答を準備してたの」


「うぅぅ……、私が変なの? 普通は恥ずかしいと思うの……」


「大丈夫、みくちゃん。恥ずかしがってる姿も可愛いから!」




 宇多野がグッドポーズをしてくると、なおさら立木は顔を赤くしていた。




「と、とにかく、これからどうしたら四期生が暴走ポン組と言われないようにするか考えたいと思います!」




 顔を染めたまま立木は仕切り直しに声を出す。




「ユキ先輩を呼べば良いよ!」


「またユキ先輩……(ポカポカ……)」


「ほらっ、こういうところだよ!?」


「えっ? ユキ先輩を呼んだらダメなの?」


「四期生って言ってるよね?(ポカポカ……)」


「葵ちゃん、ど、どうしよう……」


「お姉さんに任せなさい。二人とも、裸で話し合いましょう!」


「っ!?!? な、なんで裸になるの!?」




 再び顔を赤面させる立木。

 一方宇多野は自分から脱ぎ出し始めている。




「赤裸々に話すんでしょ? なら脱ぐところからよね!?」


「違うよ!? なんでそうなるの!? それに七瀬ちゃんがいるんだよ!? そんな中で脱げるはずが――」


「うぅぅ……、四期生の絆のため……。四期生の絆のため……」




 恥ずかしそうにしている犬飼。それでも上のシャツから脱ぎ始めようとしていた。




「脱がなくていいからね!? もう、こういうところが暴走してるって言われるんだよ! って、イツキちゃんも何でスマホを向けてるの!?」


「おかず用に?」




 すでに上の服を脱いでいる宇多野からスマホを没収して、無理矢理服を着せておいた。




「うぅぅ……、宝物がぁ……」


「と、とにかく、これからえっちぃことは禁止だからね! 四期生がこれからしっかりやっていくためには必要なことだからね!」


「四期生に必要……!? う、うん、わかったよ。絶対しない!」




 犬飼があっさり頷いてくれる。




「ルルちゃんもユキ先輩は四期生が仲良いことを喜んでくれてたよね? こんな風に仲違いしてていいの?」


「わ、私もそんなこと絶対しないよ! ユキ先輩のためにみんなで仲良くするよ!」




――なるほど。思ったより素直なのかも。そうなるとあとは一人。




 立木はじっと宇多野を見る。




「ふふふっ、私はその程度の言葉じゃ屈しないわよ!」


「葵ちゃん、野菜――」


「うん、言わないわ」




 こうして、立木は無事に四期生全員を陥落することに成功していた。

 ただ、ポンたちはその数分後には言ったことを忘れるのだった――。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る