ビビとミミ
雨世界
1 ……きっと、愛を探すために人生はある。
ビビとミミ
登場人物
美しい四姉妹
ミミ 長女 とても清楚で優しい人 春
ジジ 次女 明るくて元気な人 夏
ビビ 三女 思慮深くて真面目な人 キキと双子 秋
キキ 四女 無口で大人しい人 声や容姿はそっくりだけど、性格と雰囲気はあまりビビと似ていない ビビと双子 冬
プロローグ
もう、さようなら、だね。
本編
……きっと、愛を探すために人生はある。
空は青空だった。
風は透明で、大地は緑色をしていた。
ビビは真っ白なワンピースをきていて、そんな穏やかで温かい、まるで楽園のような場所にたった一人で立っていた。
どこに行こう?
(……きっとどこにだって行けるよ)
そんなことをビビは思う。
それから、自分の短い髪を触ってからにっこりと笑ったビビは大地の上を歩き出した。
行き先は、……ビビにもわからない。
ただビビは歩きたい場所を、歩きたいだけ、自分の足で歩いているだけだった。……でも、わからないんだけど、本当は、ビビにはなんとなく自分の行き先(行きたい場所。あるいはたどり着きたいところ)が実際には心のどこかで、わかっているような気がした。
そんなビビの思いを察するかのようにして、少し歩くと、緑色の大地の先に綺麗な白い花がたくさん咲いている場所が見えてきた。
そこには白いテーブルと白い椅子があって、その椅子の上にはビビが今一番会いたい人が優しい顔をして座っていた。
それは、ビビの姉である四姉妹の長女、ミミだった。
白いテーブルの上には白い陶器で作られている上品なティーカップとティーポットのセットとお菓子の乗った鳥かごのような食器があった。
ミミはそのティーカップに注いだお茶(ミルクティーのようだった)を飲みながら、楽園のような世界を、じっとなにかを探すようにして、見つめていた。
それからミミはふと自分のところに近づいてくるビビのことを見つけて、少しだけ驚いた顔をしたあとで、にっこりとビビに向かって笑った。
ビビはそんなミミのすぐそばまで移動をした。
二人の周囲にはとても優しい風が吹いていた。
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