第21話やだ〜〜〜〜〜〜!!!
「まず『黙示録のラッパ吹き』についての共通認識を話して行くぞ」
オーズスタン先生は続ける。
「『黙示録のラッパ吹き』の構成人数は七人。一人一人が一国家と相対出来る程の力を持ち、人間と敵対する魔王を四人も倒した存在。まあ、それが共通認識だろう。で、ここからは…………まあ、質問制にするか。何か質問がある奴はいるか? 俺が答えられる範囲だったらなんでも答えられるぞ」
オーズスタン先生はそう言いクラスを見渡す。すると、あちこちからいくつもの手が上がった。皆『黙示録のラッパ吹き』について質問があるのだ。
「じゃあ最前列にいるお前から」
そう言い、オーズスタン先生は三つ編みを横に流している少女を当てた。
「ありがとうございます。では質問なんですが、『黙示録のラッパ吹き』の方々は"固有魔術"を持っていらっしゃるのでしょうか? そして持っていらっしゃるのであればどのような魔術なのかお教え願いたいです」
「ああ、『黙示録のラッパ吹き』の"固有魔術"か。まず結論から言って、『黙示録のラッパ吹き』すべての構成員の"固有魔術"が判明してるわけでは無い。判明してるのは七人中たったの二人だ。そんくらい謎なんだよ『黙示録のラッパ吹き』の実力は。判明している人で言うと、まず一人目が"聖女"メリア・グレイシア様、彼女の"固有魔術"は"再生"だ。まあ、魔術の能力は文字通り、物や人の時間を巻き戻すという物だな。例えば壊れている物であれば直り、人の怪我であればたとえ死んでいようと巻き戻す事が出来る。何か制限があるみたいだが、それは判明してないな。次は"炎帝"、ブレイズ・コルナ様だ。あのお方の"固有魔術"は"千里眼"、文字通り遠くを見通すことが出来る魔術だな。以上が現在判明している『黙示録のラッパ吹き』の"固有魔術"だ」
「なるほど、わざわざご説明をありがとうございました」
「全然いいぞ。さあ、次の質問は?」
「じゃあ、俺が」
すると、俺の隣に座っているソウが手をあげた。
「おっ、金髪坊主か。いいぞ、どんと来い」
「じゃあ、『黙示録のラッパ吹き』の団長について判明している事を教えていただいてもいいですか? 俺なにも知らないんですよね」
「ん〜、俺もその人に関しては大して知ってるわけじゃ無いんだけどな。まあ、俺の知ってる限りの情報を教えてやる。そうだな、まずはその戦い方についてだ。『黙示録のラッパ吹き』の団長の戦い方は近接戦闘だけらしい。魔法はほとんど使わないそうだ。で、"固有魔術"は謎。年齢はお前らと同じだったはずだ。あと、たしか"色欲の魔王"は団長一人で倒したとか言われてる。そんくらい強いって事だな。俺が知ってる情報はこんな感じだな。悪い、団長に関してはほんと謎ばっかりなんだ。魔王との戦争の前線のそのさらに奥で戦ってたらしいからな。目撃者が少なすぎる」
「いえ、十分です。ありがとうございます」
《キーンコーンカーンコーン》
ソウが礼を言うのと同時にチャイムが鳴った。今日の授業の終了を知らせるチャイムだ。
「おっと、質問タイムは終わりだな。んじゃお前ら、また明日な…………ああ、あと、頼むから初日から問題は起こさないでくれよ? 学食は今日から使えるから使いたい奴は使え〜」
そう言い、オーズスタン先生は教室を出た。
俺はそれを見届けてから誰にもバレないようにそおっと席を立つ。しかし、
《ガシッ》
ソウに腕を掴まれてしまった。そんなソウは覚悟を決めた顔をしている。
「おいナツ、何逃げようとしてんだ。これから起こる地獄はお前にも味わってもらうぞ」
「くっ、やだ、放せ! 俺はこれから学食でゆっくりと余生を過ごすんだ!」
「いや、お前余生の使い方間違ってるから! それ年配の人が使う言葉だから! いや、そんな事よりもお前だけ逃げようなんてズルいぞっ。お前にも味わってもらうからな、これから始まる質問地獄を!」
「ギャーーーー、放せーーーーー!」
「ナツ氏、諦めるのでありますよ。もう逃げるには遅いであります」
「えっ?」
メクルにそう言われ俺は周りを見渡す。すると、すべてのクラスメイトが俺達の周りを囲んでいた。そのクラスメイト達を代表して三つ編みの少女が言葉を発する。
「貴方方にはオーズスタン先生が何故Fクラスの担任になったのか説明していただきます。辛いとは思いますが一人ずつに説明してくださるの助かります。それぞれ聞きたい事があると思いますので。大変かとは思いますがどうかよろしくお願いいたします」
くっそ、丁寧だけど何気に残酷な事言ってるぞこの子! Fクラスに何人いると思ってんの? 40人だよ? 俺とソウとメクルとドリアドで分担しても一人10人は説明しなきゃいけないんだぞ? しかも俺達が嫉妬を買いそうな内容だし!
その事分かってんのか!?
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