第20話あっれ〜、質問あるの俺だけ?

「ええと、入学試験で会った奴がほとんどだとは思うが、改めてこのFクラスの担任をする事になったオーズスタン・ホルスだ、よろしく頼む」


「おいおい、マジでオーズスタン先生が担任かよ」


「いやいや、なんかの冗談だろ。だってあのオーズスタン先生だぜ」


「ああ、実力では『ラーンベルト学園』の教師陣の中で学園長に続いてナンバー2と名高いあのオーズスタン先生だ。何かの間違いかもな」


 オーズスタン先生が自己紹介を始めた途端、周りが騒めき始めた。そんなにすごいのか、オーズスタン先生って。


「さあて、まあ今日は初日だからな。俺からの軽い説明で終わらせるか。んじゃ、気になってる奴もいるだろうからまずは俺がここの担任になった理由についてだ。それについてだが…………あそこに固まってる奴等に聞いてくれ、流石に二回も説明すんのは面倒だ」


 オーズスタン先生が俺達四人に指を指しながらそう言うと、クラス全員の目線が俺達に集まった。


 いや、ええ〜〜〜。適当すぎねえ? もう一回説明するくらいいいじゃ無いですか。これ絶対俺達が後で質問責めに会うパターンですよ!


「じゃあ次に、この学園についての軽い説明だな。まあ、授業とかそこら辺の簡単な事は置いといて、『魔技会』について詳しく説明していくぞ。『魔技会』は主に二つある。国内大会と世界大会だ。まず各学園の代表による国内大会が行われ、そこで勝ち上がった学園が世界大会に進出する事になる。『魔技会』の代表は五月にある『学年別クラス対抗戦』の内容と『学内個人戦』によって教師が厳密に選抜して行くからそのつもりでいろよ。

 ああ、まあ、有名だけどこの説明も一応しとくか。学内での対抗戦とは言え外から一般の人も見にくるからな、心してかかった方がいいぞ。『学年別対抗戦』の結果によってはクラスが上がれるからそれを狙うのもありだな。まあ、『魔技会』についてはこのくらいか。何か質問のある奴は?」


「「「「……………………」」」」


 あれ、皆質問無いの? 俺一つあるんだけど。でもこの空気じゃ質問しづらいな〜、どうしよっかな。


「どうした刀坊主、質問か?」


「えっ、いや、あの〜…………そんなバレバレでした?」


 あれ、俺オーズスタン先生から結構距離ある所にいるんだけどそれでもバレるほど分かりやすかったのか?


「そうだな、ありえないくらいキョロキョロしてたぞ。で、質問は?」


 あっ、そんなにキョロキョロしてたんだ俺。


「あの〜、俺この刀を使って戦うじゃ無いっすか。刀の持ち込みはアリなのかな〜って思って」


「ああ、その事か。たしかにお前にとっては重要だな。結論から言うと、俺も分からん。何せ刀で戦おうって奴自体が初めてだからな。まあ、そこら辺は職員会議とかで話題に出すつもりだからその結果を待っとけ」


「わ、分かりました。ありがとうございます」


 うわ〜、これ刀は無しとかになったら俺終わるな〜。


「これで終わりか? じゃあ次の話に移るぞ、次の話はお前らも好きであろう『黙示録のラッパ吹き』についてだ」


「来たであるな、『黙示録のラッパ吹き』の説明が。某の憧れであるよ」


「やはりメクルも好きなのか。俺も憧れているぞ。"固有魔術"が一切謎なのは残念だが、属性魔法だけでも十分すぎるほど実力を持っていらっしゃる集団だからな」


「おっ、ドリアド程の人でも憧れるのか。まあ当然だよな、俺達の今の生活は『黙示録のラッパ吹き』のおかげみたいな所があるもんな」


 ああ、やっぱ皆『黙示録のラッパ吹き』好きだよね。だって魔王を四人も殺しちゃったんだもん。そりゃ憧れるわ。


「知ってる奴も多いと思うがこれもやらなきゃいけない事だからな。まあ、今まで知り得なかった情報もあるだろうし、今から黙示録のラッパ吹きについて説明していくぞ」



 



  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る