07

 彼は、基本的に送迎担当になった。運転を自分でしなくてよくなったので、朝起きる時間や夜寝る時間がちょっとだけ遅くてもよくなった。


 同じ部屋。同じベッドで寝る。いつも、彼のほうが先に眠っていた。帰るとすぐ、ばたっとベッドに倒れる。わたしは、顔を洗って、シャワーを浴びて、彼の作り置きしてあるごはんを食べて、着替えてから寝る。彼のとなり。


 起きると、だいたい彼が朝食を作っていた。いつも携行保存食ばかりだったわたしの食卓は、彼が来てから、彩りが添えられた美味しい食事になった。


「本当に、携行保存食ばかりだったんですか?」


「はい」


 彼の作ったごはんを、お口いっぱいにつめこみながら、答える。


「それが原因なのかな」


「なにがですか」


「ゆっくり食べてください。見てるこっちの喉がつまりそうだ」


「おいしいです」

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