それぞれのカタチ
春嵐
01
人を、好きになったことがない。
正確には、嫌いになったことがない。人を嫌わないというのは、好きにならないのと同じことだった。人に対して、感情が動かない。好きなアイドルとか、好きな映画のキャラクターはいる。でも、映画に映るのは現実の人間ではないし、アイドルは仕事であって人格ではない。
「
マネージャ。入ってくる。
「はい」
言われるままに。ステージに立つ。そう。わたしはアイドル。多くの人に、愛と希望を与える存在。だけど、何も、感じない。多くの観客を前にしても、緊張しない。人がたくさんいるなと、なんとなく思うだけ。
歌う。歌だけは、なぜか上手かった。べつだん、技術があったりするわけでもない。ただ、歌っているだけ。踊っているわけでもない。それでも、たくさんの人が、わたしの姿に多くのものを感じて、応援してくれた。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます