単発ストーリー

Leiren Storathijs

爆破予告

 俺は東京のとあるテレビ局で働いている極普通の社会人。


 最近起きた国会議事堂爆破予告事件によって、面白がって色んな場所に爆破予告の悪戯電話が続いている。


 ただ悪戯電話が内容だけに、ただの『悪戯』だと断定する事も出来ず、警察は大忙しだと言う。


 そして俺の座るデスクにある電話も突然、何の前触れも無く鳴り始める。


「はいこちら、丸四角テレビです」

『お前らのテレビ局に爆弾を仕掛けた……これは悪戯でも無く脅しでも無い。本当の話だ。良いか? 警察を呼んだら直ぐ爆破してやる。1時間以内にテレビ局入り口に身代金1億を置いてこい』


 まさかこんな日が自分にも降り掛かろうとは、不幸極まりない。俺はすぐに社長を呼ぼうとすると、受話器越しに聞こえる声はそれを制止する。


『待て。お前一人でやるんだ。絶対に助けを呼ぶな。テレビ局の至る所に盗聴器を仕掛けているからな。お前の声はこちらに筒抜けだ』


 あぁ、こんな時どうすれば良いんだろう。1人で脱出するか? そんな事を考えながら俺は勇気ある質問をする。


「その爆弾ってどれだけの威力なんですか?」

『ククク……貴様のビルが一撃で吹き飛ぶ程だよ。もう逃げ場はない。早く1億用意しろ。さもないと……』

「さもないと……?」

『このボタンをポチッと押せば……あ……やっべ! 押しちまった! やばいやばいやばい! 逃げろおおおおお!! うわああああッ─────』


 急にどうしたのだろうか? 犯人と思わしき受話器から聞こえる声は、急に焦り始め……。


 俺の働くテレビ局からでも良く聞こえる程の大きな爆発音と共に、近くに建っていた建物が突然吹き飛ぶ。


 此処の窓からでも良く見えるほどそこから黒煙が立ち込めていた。


「お前かよ……」

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