第45話 ふんわりエンジョイ勢

「逆によくここまで来れましたね……」

「さっき3人でもクリアできるって言ってたでしょー」

「普通にやればね!」


 武器の説明とか見ないで始めたから……


「なら、ウチは……サポート特化で……」

「あー、上手ですもんね」

「え……わ、あっ、ありがとうございましゅっ!!」

「???」



\\\



「これでほんとに最後ー?」

「はい、他の場所光ってないので」

「じゃ、とどめー!」


 星那さんの戦車から放たれた砲弾が敵に当たる。

 四人の画面中央に『MISSION CLEARED』の文字が光った。


「やったー!」

「ようやくクリアできましたね」

「もう20回くらいやりましたからね」

「しかも、クモを倒したら、カエルが出てくることも今回初めて知りましたしね」

「え、あの……集めないんですか……?」

「え?」

「宙音ちゃん、集めるって何ですか?」

「あ……えっと、落ちてる箱みたいなやつを拾うと、その、新しい武器とかが手に入ったりとかするんです」

「あー! そーそー、前に宙音とやった時おんなじこといってたー!」

「後30秒って出てますけど……」

「速く集めましょう」

「あの、そこまで無理に集めなくても……」


 出来る限り集めたけど、全部回収することはできなかった。


「ごめんなさい、宙音ちゃん」

「大丈夫です。集めるのも楽しみなので」

「そろそろ別のゲームにするー?」

「ちょっと休憩しない? 星那も疲れたでしょ」

「たしかにー」


 前傾姿勢だったので、後ろに手をつき軽くのけぞった。


「カイトぽきぽきなってるー」

「あはは、固まっちゃったみたいです」

「おとーさんみたーい」

「失礼でしょ」



\\\



「えー、今日たべてかないのー?」

「毎回お世話になるわけにいきませんからね」

「えー、いいのにー。ねー」

「う、ウチは別に……」


 ほんとは、お母さんには悪いけど食べていってほしい。

 せっかくだし……


「来週もだからねー!」

「はいはい」

「また学校で」

「宙音さんもありがとうございました」

「い、いえ! その、またいらしてください……」


 胡桃さんと山梨さんが玄関から出て行ってしまった。


「食べてけばいいのにねー」

「お姉ちゃん」

「なにー?」

「説教」

「え」

「……パジャマ見られた」

「そ、それは私悪くないじゃん! 宙音がそのままできたんでしょー!」

「聞いてたら着替えたし」

「二人と遊ぶからP5S借りるっていったでしょー。宙音返事したしー」

「記憶にない……」


 そういえばそんな会話したような気も、するような……しないような……?


「じゃあ、えっと……くっつき過ぎてたから説教!」

「なにそれ!?」

「山梨さんのあぐらの上に転がってたでしょ!」

「えー……それくらいいいでしょー。座ってるの疲れてたしー……」

「ダメ!」

「ていうかー、宙音も結構くっついてたよー?」

「そんなわけ……」

「すっごい集中しててー、体揺れてカイトに当たってたよー? カイトも苦笑いしてたしー」

「……」

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