第39話 サメ映画があふれているそうなので、一つくらいこんな映画も無きにしも非ずかもしれなくもない気もしなくないですよね
「はい、配信始まりますよー。今日は、『それいけ イワシ子ちゃん』! ついに最終回です! 泣いてくださいねー? いやー、私も感慨深くてついつい涙がちょちょ切れ、ちょちょ切れってなんでしたっけ? まあ、そういうのはクリアしてから言えって感じですよね。はい、始めましょー!」
ゲームを再開っと。
「ん?」
障害物も何もない。これは……
「いきなりボス戦ですか!? うわー! これは最終回にふさわしいですよね! いいですよいいですよー!!」
ボスの体力ゲージがあらわれた。そして、今までとは違い30:00のカウント。
「ボスは……サメ!? え、強すぎないですか!?」
ガチのサメが現れた。ホオジロザメだろうか。
「でもー、ボスだけなら今回ははやく終わっちゃうかもですね? 配信短くなったらごめんなさーい」
歯が飛んできて、何もできず死んだ。
「……はい」
リスタート。死ぬ。
「……これ、攻撃手段は!?」
\\\
「いやどうなってるんですか!? 歯がとんでくるんですけど!?」
「うわー……なんか復習って感じじゃないですか? 突進してきたマグロと真珠飛ばしてきた貝の合体技って感じですよねー」
「今度は曲がるし! この歯なんですか!?」
「サメまで追ってくるなぁ!!」
「え、全然よけきれる気がしないんですけど」
「あ゛っ……」
\\\
「ま、まあ? まだ慌てる時間じゃないですもんね? こら、『成長のない1時間』とかいわないでくださーい。成長してますー。きっと0.1ミリくらいイワシ子ちゃんが大きくなったりしてるかもですよ?」
「『おてあげ』? ちょっと、コメント頑張って!? 私一人にしないで?」
「『攻略WiKe見ろ』? まだないですよ!!」
「『ホオジロザメはネズミザメ目ネズミザメ科ホホジロザメ属』? うーん、そうですか。ついでにイワシでもホオジロザメに勝てる方法知りませんか?」」
「『イワシ子ちゃんの覚醒まだ』? それしかないですよねー。覚醒待機しましょう」
「『失敗は成功のもと』? ナイス励まし! それじゃ、再開しますよー!」
\\\
「頭使いましょう頭。マグロと貝に似たところあるってことはきっとウミネコ要素もあるはず。つまり、攻撃手段は何かにぶつけることのはず!」
「なんもでてこないじゃないですかぁ! 結構よけられたのに!」
「今見てました!? 5分耐えましたよ! 見てました!?」
「というかー、あのサメくん、飛ばした歯回収してくれないですかねー?」
「サメくんと歯同時に避けるとかつらすぎませんか」
「うわぁ、なんか目がおかしくなってきました……とんでくる歯がイワシ子ちゃんを追ってくるんです。嫌な夢でした……」
「え? なんか来た!? え、触手ですか? タコ? イカ?」
画面左から太い触手が伸びてきた。
それに触れて死んだ。
「……いや、今の何ですか? ……『15分超えたら出てきた』? そこで折り返しってことですか。なんか見えてきましたね! 全力で行きますよ!!」
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