第40話 まだ、続きます
「触手来ましたね! かなりでかいですけど、これ、ダイオウイカとかそういうことですかね? って、油断して歯にあたったぁ!!」
サメくんの飛ばした歯は、どんどん積み重なってくる。
もちろん攻撃判定は残ってる。
「さて、ここからですね。気を引き締めましょう!」
触手が伸びてきて、体も見えてくる。やはりダイオウイカっぽい。
その触手がサメくんに巻き付く。
「おお! いかちゃんがんばって! 倒しちゃって!」
攻撃が止んだ。
「これで終わりなんですかね? すーっと」
攻撃も飛んでこないので、サメくんやいかちゃんに近づいたり、無駄に回ったりしている。
でも、カウントはまだ13分近くある。
「なにすればーって!?」
13:00になった瞬間、サメくんといかちゃんが暴れ始めた。
「ちょ、むりむり!!」
今まで以上にとんでくる歯が増えたうえ、いかちゃんの触手も蠢いている。
やられた。
「……まあ、油断してましたごめんなさい!」
「ちょっと! 半分以上埋まったんですけど!」
「いかちゃん!? 味方なら攻撃してこないで!?」
墨を吐かれた。前の、1-2で出てきた、たこと同じで攻撃判定はないみたいだけど、前よりも広範囲で、飛んでくる歯を隠すうえ、墨から出てきた歯は墨をまとって大きくなっている。
「つらいつらい! ちょっと、どうすればいいの!」
今の画面だけ見れば、ホオジロザメとダイオウイカとの闘争に一匹のイワシが巻き込まれている構図だ。かわいそすぎる。
「あ! 今! 一瞬、あ゛……やられてしまいましたけど、今、サメくん光ってましたよね!」
「うわっ! 油断しましたぁ……こんなところで失敗してる場合じゃないですよね、ごめんなさい!」
「あ……触手に当たってしまいました……」
「ごめんなさい、一回休憩入ります!」
流れ、というか、集中力がやばい。
今までは10分だったのに対して、今回は30分。集中力の消耗が激しい。
「ふぅ……」
集中していたせいか体も熱いので、水分補給をする。
「『ゆっくり休んで』? ありがとー。今回きついねー」
慣れてきた感覚が薄れるのは怖いけど、これは配信。最悪、本当に最悪だけど、今日クリアできなくても見てくれている人が楽しんでくれているなら成功。
「『逃げるな』? これは戦略的撤退ですよー? チャージ中ですチャージ中」
「『えらが光ってた』? サメくんの? 確かに一部だけだとは思ってましたけど、えらだけ狙うんですかね?」
「『海中は体内の水分奪ってくから水分補給しっかり』? ありがとー! 脱水症になっちゃうかもですもんねー」
「『ラストがんばれ!』? ありがとー。そうですよね、今回で最後なのでカッコ悪い終わり方するわけにいきませんもんね!」
「『Let's go!』? 英語よわよわな私でもそれくらいなら意味わかりますよ! では、いきましょー!!」
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