第30話 永遠の愛を誓いますか?
「そ、宙音ー?」
「耳が妊娠する……むしろ妊娠したいぃぃぃ」
「……」
そっとしておこー。
「おかーさん」
「ん、どうかしたの?」
おかーさんがお皿を洗ってる。
「ちょっと見たいテレビがあってー?」
「部屋にもあるじゃない……変なこと言ってないでお風呂入っちゃいなさい」
「うん」
\\\
あっ、P5S返さなきゃー。
「……宙音ー?」
「はぁはぁはぁはぁ……」
「……」
明日でもいっかー。明日がっこーだし、私もねよー。
\\\
「お姉ちゃん」
「うわっ!?」
びっくりしたー!
「朝からどうしたのー?」
「あれ、本物! 絶対本物!」
「目が怖いよー?」
またがってる宙音を動かしてっと。
「ん~、はぁ……おはよー」
「そんなことより! どうしよう!?」
「なにがー?」
「う、うみくんだよ! どうしよう!?」
「……」
まだ時間あるし、ねよー。
「ねないで!!」
「うるさいよー……」
「だって、本物だよ! 本物のうみくんだよ!?」
「宙音会いたくないんじゃなかったのー?」
「それはそれ、これはこれ」
「あー、でもカイト妹居るんだってー」
「? それがなに?」
「カイトじゃなくてー、妹ちゃんの方がうみくん?なんじゃない?」
「そんなわけないでしょ」
「でも似てるって言ってたよー」
「バカとは思ってたけど……」
「思うなー……」
ダメだー、おやすみ……
\\\
星那さんが授業開始ぎりぎりで教室に入ってきた。走ってきたのか息が切れている。
「あっ、カイト……」
「酒々井ー、席につけー」
先生の言葉に星那さんは席に着いた。なにか用だったのだろうか?
「チャイム鳴ったぞ、教室入れー。前回の続きから」
授業が始まったけど、星那さんからの視線を感じる。視線どころか顔もこっちに向けてじっと見てくる。あ、先生に注意されてる。
\\\
「カイト!」
授業が終わると、すぐに星那さんがこちらに来た。
「どうしたんですか?」
「カイト、カイト……」
「はい」
「何話そうとしてたっけー?」
「しりませんよ……」
「ん~??」
「星那、今日はぎりぎりじゃない」
「あ、はよ! 今更だけどー」
「はいおはよう。珍しくない?」
「ちょっと宙音に捕まってー?」
「宙音ちゃんに?」
「だから家出るの遅くなったー」
「もしかして、昨日いきなりおじゃましちゃったからですかね?」
「いや、そんなことないと思うけどー……あっ」
「どうしました?」
「いやー、う~ん……ここじゃ言えなーい」
「そうですか?」
「だから、お昼に話すー」
「また忘れるんじゃない?」
「大丈夫ー、と思うけどー……んー、やっぱりメモしとこー」
スマホに打ち込んでいた。そんなに重要なことなんだろうか?
「じゃ、お昼でね!」
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