第11話 次のボスはなんじゃろな~

「はい、配信始まりますよー。今日は『それいけ イワシ子ちゃん』! 先週ぶりですねー。あっ、『待ってました』? ですよね。同じです! さっそくやっていきましょう!」


 セーブデータから再開。コースごとにセーブできてよかった。


「うわぁ」


 1-1はチュートリアルですよ、と言わんばかりに、敵キャラが増えていた。また、授業で見たことのある、熱水噴出孔のようなステージギミックも増えていた。





「ちょっ! かにいぃぃぃぃ!!!」


「あれ、カレイは背景……じゃないですよねぇ!」


「前回と比べていろいろ増えてますね。ほら、ウツボとか、伸びたぁ!?」


「あれ、これって初見殺しゲーでしたっけ!?」


「墨吐いた!? ちょっと、見えづら……あ゛あ゛ぁ……」


 ちょっと休憩。



「あ、『最初よりうまくなってる』? やっぱり? ありがとうございまーす」

「うんうん、『飛んでくの草』? ねー! 噴出孔で上にフェードアウトは面白かったー」

「『イワシ子ちゃん結構強いよね』? まさかイワシ子ちゃんは鰯じゃなかった!?」

「『水分補給して』? そうだねー、海水って塩分強いもんねー。水飲みまーす」

「そろそろ再開しますかー」




「褒められちゃったのでね、もっといいところをぉぉ!」


「はいはい、ウツボくん、君が伸びるの忘れてないからね!」


「今回結構いい感じですね~。は? マグロ?」


「前回のボスだろうがマグロには慣れてるからね。うん、次は全然いけるいける」


「今回は、あー避けつつ制限時間以内に貝に体当たりするのね。りょうかいりょうかい。前回のより得意かもー?」


「え、真珠出たんだけど。なんか役に立つの?」


「今回いい感じー。でも時間ないぃ!」


「え、真珠だけ集めればいいの……? せっかく最初から全部開けてたのに?」


「さてー、そろそろボスですかねー? って、貝? え、これボスじゃん!?」


 さっきの貝の残りかと思っていたら、最後の貝がいきなり巨大化した。何という種類の貝だったか、二枚貝なのに縦に海底に刺さっている。そして、1-1のボス、マグロの時にも見た10:00のカウントに体力バー。


「え、今回は何で……あっ、真珠!? イワシ子ちゃんの口から真珠出たぁ! え、真っすぐ飛ぶんだ。前回より簡単じゃない? ってあっちも出した!?」


 ボスの出した大量の真珠を避けつつ、こちらも真珠をぶつける。


「あっ、真珠同士がぶつかって落ちましたねー。全部避けた後に本体にぶつけるって感じですねー。いやー、今回は結構簡単にクリア出来ちゃいそうかなー?」




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