第21話 田嶋の部屋に沢山のお酒が備蓄されてたんやなぁ!(恨み)
夕方、小松は朝のやり取りが気になり、もやもやしていた。きっとまた聞いても答えて貰えないだろうと思い、それならばと、川町に話を聞いて貰うことにした。
二階の川町の部屋をノックすると声が聞こえた。今日は部屋にいたようだ。
「はーい!どうしたの~?小松くん」
「あの…さ、話してもいい??」
「うん、いいよぉ、水撒きも終わったし。」
「あっ!ご、ごめんね、まかせちゃって。」
「いーよ、いーよ今日はぼくが早かったから。入って~」
「うん…」
部屋のドアがしまった。
その一時間後、田嶋から西崎に電話がかかってきた。めずらしい。
「おっ、何や田嶋…急ぎか?買い物してんねん。」
丁度買い物に出ていた西崎は、荷物を抱えながら電話を取る。
「くっくっく…。すまん…西崎、かなり面白いことになってるから早く帰ってこい(笑)」
電話は要件だけ伝えるとすぐに切れた。
「はぁ?わけわからん…。」
買い物を済ませると、西崎は自宅にまっすぐ向かった。
アパートに帰ると、ながれとにしきが迎えてくれた。供えてあったおやつのチーズかまぼこを渡す。2人ともしっぽを振って食べた。まだ外で過ごすようだ。2人を撫でると、部屋に戻る。荷物を置くと、二階が騒がしいようなので二階へ向かった。ちょうど川町の部屋から声が漏れているようや。
ノックもなしに扉をあけると、笑い声や怒っている声がいろいろと聞こえてきた。
「何…やぁ!!何やっとんねん!!」
床には、田嶋が普段飲んでるカクテルやビールの缶が拡がり、酒宴となっていた。菊市と小松が語らい、川町から説教を受けながら田嶋がチーズを齧っている。
菊市が西崎に気付く。
「おお!!西崎!!お前も混ざれー!」
顔の赤い菊市が西崎に絡んでくる。
「そうです!西崎さんのはなしも聞かないと~ですよ!」
こんな口調の小松は初めてだ。
「田嶋兄ちゃん!笑ってないで、聞いてるの!!だいたい、働きすぎなんだよ!ぼくはねー!あ!西崎さん!きいてください!!」
川町くん!?も飲んでらっしゃるのね!?
「いーやーー!」
そのままずるずると部屋に引きずり込まれていく西崎であった。
そのころ、焼き肉店で谷村・明智・平野が網を囲んでいた。
「んで、最近何でスタミナ食なんすか?」
「まあね」
谷村が語りだした。
「俺さ、体力には自信があったわけよ。特に菊市さんとの…あ…夜の生活には」
「その言い方、逆にイヤらしいよ…Hでいいじゃん」
「そっすね、そっちでいいっすよ」
「そうだね、俺らしかいないしいいか。まぁ、菊市さんは俺からエネルギーを吸収しているわけで」
「うんうん」
「そうっすね」
「俺の体力が菊市さんのエネルギーを補充しているわけ。」
「そういや、今って、全部谷村さんがまかなってんすか?」
「いや、今は結構、土地からの力が広く吸収できるようになったみたいで」
「川町さんと小松の庭づくりは無駄じゃなかったんだなぁ…」
「うん、そだね。じゃあ、菊市さん大丈夫なんでないの?」
谷村はため息をつきつつ肉を食べる。
「はぁ…ながれとにしきが来たでしょ?」
「あ、なるほど、にしきは菊市さんからまだ力を補ってもらってんだっけ。」
「そうなんすか?」
「土地の力だけだと十分に補えないんだと。西崎さんが言ってた。」
「それで、スタミナ食なんっすね」
「はぁ…」
「あれ?どしたの」
「…それだけじゃ終わらないんだよ。ここんとこ俺の職場、仕事量が増えててさぁ、ちょい疲れてて」
「うん」
「…で、Hの時に見ちゃったわけ」
「何を」
「菊市さんが物足りなさそうな顔してるの」
「「あ“――」」
「そらショック」
「ふっく…あはははっ!!」
「平野てめぇ!笑いごとじゃねぇよ」
「はっは…くっ!すんません」
谷村が話を変える
「平野は、小松と最近はどうなの…あれから…」
「あ…ああ、順調っすよ、たぶん」
「たぶん?あーれー?おっかしーな」
「やめてくださいよ、何もないっすよ?」
「お前、俺もぶっちゃけたんだから話せよ」
「…わかったよ…わかりました…実は…またキス止まり…」
「え“!?」
「はぁ!?」
「何々なにー!なんでーー!!」
「お前のほうが重症じゃん!!あっはっはっ!!
今度は谷村が笑い出す。
「たまに、…途中までいくんすけど…ておい、谷村笑いすぎ」
「ふん、うんうん」
明智が口に肉を詰めながら返事をする。
「過去が過去なだけに……。」
「でもさ、それで止められんのか?モヤモヤするでしょ、普通」
「夜中にさ、たまに泣きながらうなされてて…、まだ思い出してんのか…って思ったらなんか悪いことしてる気になって…」
「大事にしてんだねー。」
「すげぇな。長期戦か…食っとけ食っとけ、モヤモヤくん」
「あ…うん、モヤモヤはやめてくださいね。そういや、明智さん、西崎さんとは長期戦でしょ?」
谷村が平野の皿にトングで焼けた肉をのせていく
「いんや、戦ってないし。意識したのって小松とお前の事件のちょい前辺りよ」
「んへっ!?」
「はぁーー!?」
平野と谷村の箸が止まる
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