今・・・ここに・・・

勝利だギューちゃん

第1話

少し前まで、ハロウィンで騒いでいた。

今年は、コロナが猛威を振るい、渋谷の街は例年よりも、おとなしかった・・・


と、いうのは最初だけで、すぐにはしゃぎだした。

気持ちはわかるが、やはり常識はわきまえてほしい。


まるで、優勝した時に、どこぞの川に飛び込む・・・

これ以上は、自粛する。


そして、すぐにクリスマスがやってくる。

お店も生活するのが、大変なようだ。


まあ・・・

それはおいておいて・・・


この時期になると、サンタのコスプレをした連中がはびこる。

最近は、ミニスカートの女の子のサンタもたくさんいる。


寒くないのか?


「女の子は、可愛さ優先だからね」

声に出ていたのか?

サンタコスの女の子に、声をかけられる。


「声に漏れてたよ、『寒くいないのか』ってとこ。

まあ、みんなそう思うよね?楠くん。


「えーと、たしか・・・」

誰だっけ?


「私よ。クラスメイトの雪城ふぶき」

そういえば、そうだ。

思い出した。


「ミニスカートをはけるのは、私みたいなかわいい女の子だけだからね」

自分でいいますか・・・

「今、バイトしているんだ。無償で」

それは、バイトとは言わない。

「でも、現物支給だよ」

それでいいのか?


「楠くんは、今は暇?暇だよね?暇に決定」

勝手に決めるな。


「はい。これもって」

雪城さんが、看板を渡す。

お店の宣伝が書いてある。

おもちゃ屋か・・・


でも、両手でないと持てない。


「それを頭上にあげるだけでいいから」

拒否権はないようだ。


仕方なくあげた。


「呼び込みは私がするからね」

危ないお店じゃないんだから・・・


でも、人見知りの激しい僕には、助かる。


で、こうしてクリスマスまで、突き合わされた。

まあ、いろいろ話もできたし、楽しかったな。


「楠くん、ありがとうね。助かったよ」

「どういたしまして」

ようやく解放か・・・


「で、君には最高の、バイト代を出すわ」

「バイト代?」

「うん。うれし泣きもなしだからね」


雪城さんに、手招きをされてついていく。

すると、建物があった。


ここは・・・

孤児院?


「さあ。楠くん。子供たちの笑顔が待ってるよ。レッツゴー」


雪城さんは、この孤児院で育ったそうだ。

高校入学と同時に、養子になったが、孤児院の手伝いはかかしていないらしい。


でも、雪城さん。

君と過ごせた時間が、一番のバイト代だよ。


今、ここにいてくれる。

それが、当たり前になった・・・

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今・・・ここに・・・ 勝利だギューちゃん @tetsumusuhaarisu

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