勇者やってたはずが宇宙へ

作者 冬蛍

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★★★ Excellent!!!

基本ラインとしてはファンタジー召喚勇者がスぺオペ世界で無双する話であまり新鮮味は有りませんが、自分や身内の命が他人の命と比較できるはずがないというクズよりの思考を基本とする一方有る程度までは他人への譲歩と配慮ができるという主人公のキャラづけは見事。地の分で作者が主人公をサゲるのもそれに一役かっています。

★★★ Excellent!!!

 勇者として異世界に召喚され、魔王を倒した後で用済みとなって追放された主人公のシンがたどり着いたのは、人類が星間国家を築いたSF世界。超空間で難破していた生体宇宙船サンゴウと遭遇したシンは、他人に利用されずに自由に生きることを目指して未知の宇宙へ繰り出す。

 異世界帰りの勇者として、生き物を治癒する回復魔法や、宇宙空間でも生存できるシールド魔法、無限にアイテムを別空間にしまえる収納魔法を使えるシンだけでも十分にチートなのですが、シンが出会った生体宇宙船サンゴウも外宇宙のオーバーテクノロジーの塊で、チートな二人が領内を荒らす宇宙海賊や、惑星を襲う宇宙怪獣を退治したり、奇病に罹った皇妃を癒やしたりと、難題を力技で解決していくのが小気味良いです。

 そんな無敵なシンでも唯一の欠点は恋愛音痴なところで、エルフのお嬢様を助けてお近づきになったにも関わらず、強気に迫れないヘタレっぷりが滑稽でおかしく、やがて両思いになっていく二人の姿が初々しい。

 追放された勇者の第二の人生、自重しないシンは何事もなく幸せなスローライフを築けるのか?


(新作紹介 カクヨム金のたまご/文=愛咲優詩)