瞬間移動/テレポーテーション

武藤 径(むとうけい)

第1話 初めての決勝戦

 あと一点で勝利する。


 私立夢野学園フェンシング部に入部したぼくは、地方大会高校生の部で、初めての決勝戦に挑んだ。

『トモヤ!』

 女子たちの黄色い声援に後押しされ、をあげたぼくは、気合を入れ直す。ぼくは猫のすり足のごとく前進。相手選手は後退を余儀なくされる。剣をしならせ、渾身の一発をに振り込んだ。


 だが、少々勝ちを急ぎすぎたようだ。敵は、ぼくの攻撃をかわすとフェイントからのカウンターをしかけてきた。


 ”やられる!”


 そう思った瞬間、フラッシュをたいたような眩しい光がぼくを包んだ。

 


 

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