アフター14話「今日はあかん日よ……」

「今日はあかん日よ……」

そう言って、紗奈はぐったりとベッドに伸びた。


僕はあうあうと可愛く指を掴んでくる姫奈をあやしながら。

「今日は木曜日だからね」


「そう、魔の木曜日よ。

私も今日は色々考えたわ。

伸び悩む寝取り純愛をやめてギャグいっぱいの寝取りハーレム物を書いてしまおうかと」


「うん、完全に暴走だね」

姫奈は眠たいらしく、うとうとと目を閉じて……寝た。


僕はそーっとベビーベッドに姫奈を寝かせる。

さて、次は母親の方をあやしてあげよう。


ぐったりする紗奈の隣に座り、寝転ぶ紗奈の口に口付け。


もきゅもきゅ。


「明日からカクヨムコンなのよ」

「そうだね」

「気にしたら負けよ。

すでに負けているから」


ネガティブ紗奈だ。


「ロボットファンタジーは9万字書いたから、後少しでノルマ達成よ。

正直、PVのためには引き延ばせば引き延ばすほど有利よ。

ましてや私はWeb小説の書き方じゃないから」


「Web小説の書き方って、出だしで勝負の?」


「そう、やろうと思えば3話で泣かせるような話にもできるけど、書いてて面白くないからその意味では出来ないけれどね」


どこか紗奈の口から闇が漏れ出している。


「……ふふふ、星1万の世界はもう届かない。

そういうときは次に行くべきなのよ。

人気作品は完結させない、ダメなら即次、毎日更新より2日〜3日更新をずっと続けるのがおすすめ……全てヤミの真実よ」


ヤミって病みの方かな?


「まあ、気にしても仕方ないんじゃない」

僕がそう言うと紗奈はムクっと起き上がる。

「それもそうね。

今日はもう休むわ、木曜日だし」


そう言って紗奈は僕にしがみついてきたので優しく頭を撫でる。


「そうそう、無理なときは無理。

休むときは休む」


「うん、今日は休みで颯太を押し倒すわ」

紗奈から押し倒すと言うのは久しぶりだなぁ〜。


紗奈はそのまま情熱的に僕に口に自分の口を重ね体重をかける。


もっきゅもっきゅ。


それを受け入れるように紗奈を抱きしめながら、ゆっくりとベッドに2人で横になった。


「颯太……いただきますは?」

「うん、紗奈をいただきます」

「……めしあがれ」


もきゅもきゅもきゅもきゅもきゅもきゅもきゅもきゅもきゅもきゅもきゅもきゅもきゅ……。


ふと口を離し、紗奈は言った。


「そうだ。

ふと思い出したんだけど」


「……また唐突だね」


「私はよく考えたら、すっごく重い2人のラブラブ話が読みたいのよ」


「内容もまた唐突だね。

今書いてるよね?

もきゅもきゅ幼馴染の方ではなく」


「書いてるわ。

それだけなんとなく言ってみた。

じゃ、颯太続きしよ……?」


「ん……」


もっきゅもっきゅもっきゅもっきゅもっきゅもっきゅもっきゅもっきゅ……。

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