第22話「心に潤いが欲しいときほど、なにも見つからないものなのよ」

「心に潤いが欲しいときほど、なにも見つからないものなのよ」


紗奈が僕ににじり寄りながら唐突にそう言った。


「それはそうだね、面白いものを楽しむだけの心の余裕がないんだろうね」

「そうねぇ〜」


そう言いながら僕に到達し、よじ登るように僕にしがみついて来る。


「言えば僕からそちらに行ったのに」

「いいのよ〜、私も颯太にしがみつきたかったから」


そう言いつつ、紗奈は唇を突き出すように。

始めはその感触を楽しむように軽く数度当て合い。

そのうち我慢できずに互いの唇をもてあそび、最後にはいつも通りに舌を合わせて口を重ねる。


もっきゅもっきゅもっきゅもっきゅもっきゅもっきゅもっきゅもっきゅもっきゅもっきゅもっきゅもっきゅもっきゅもっきゅもっきゅもっきゅもっきゅもっきゅもっきゅもっきゅもっきゅもっきゅもっきゅもっきゅもっきゅもっきゅもっきゅもっきゅちゅっちゅっ……。


……。


…………。


それからしばし。

僕らはベッドの上でゴロゴロしながらスマホでカクヨムを読んでいた。


すると紗奈が。

「……なんだか私疲れているときって、もきゅもきゅが激しくなってない?」


紗奈が画面を見せてくるので、どれどれと紗奈のスマホを覗くように顔を近づけると、そのまま紗奈が僕の口に自分の口を重ねてきた。


もきゅもきゅもきゅもきゅもきゅもきゅもきゅくぅ。


口を離し、再度カクヨムを確認。


「……そうだね」

シーズン1もこうやってイチャイチャモードとか言ってたのが、いつのまにかもきゅもきゅが日常化してしまった。


紗奈は愕然とした顔をして訴える。

「こ、このままではシーズン1と同じ黒歴史になってしまうわ!!!」


それを聞いて僕は首を傾げる。

「えっ?」


手遅れでしょ?

その言葉を僕は飲み込んだけど、気配を察知した紗奈に口封じのために口で口を塞がれた。


もっきゅもっきゅもっきゅもっきゅもっきゅもっきゅもっきゅもっきゅもっきゅもっきゅもっきゅもっきゅちゅっちゅっもっきゅもっきゅもっきゅもっきゅ……。


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