第20話「久しぶりに詐欺師の話を読み返したわ」
「久しぶりに詐欺師の話を読み返したわ」
紗奈はコロンと転がってスマホでカクヨムを読みながらそう言った。
その紗奈の頭を撫でながら尋ねる。
「どうだった?」
「やっぱり私は勘違い系が好きね。
悪くないわ、うん、正直に言うとやっぱりこういう話は何度読み返してもいいわ。
文体はあえて軽くしているから、一般向けかどうかはわからないけれど」
ふむふむ。
「ま、それはそれとして朝元気なうちは公爵の話を書けたけど、疲れてくるとやっぱりダメね。
書くってメンタルと体力の両方を使うから」
「そうなんだ?」
紗奈はコロンとこちらに転がって手を伸ばして催促をするので、僕は紗奈の口に口を重ねる。
もきゅもきゅ。
口を離し、再度紗奈はカクヨムの画面を見つつ。
「今日進めたかった分まであと数行なんだけど、それを書く気力が難しいわね。
一応、今月中に第5章が終わって最終章入るけど」
「4月に入るとさらに忙しくなるからね」
ついに大学生活も始まる。
紗奈も多少お腹が大きくなり始めるから、普通の大学生みたいな感じの新歓コンパとかに参加することは難しいだろう。
それでも紗奈に……僕らに後悔はないだろう。
人生を懸けて選んだことだから。
「改めて考えてみたけど、ちゃんと公爵の話も終わらせないとね。
やっぱり彼ら彼女らの物語は作品の物語が終わって、初めて新しい始まりを迎えるのだもの」
「そっか……」
そう言って僕らは再度、口を重ねる。
もきゅもきゅもきゅもきゅもきゅもきゅもきゅもきゅもきゅもきゅもきゅもきゅもきゅもきゅもきゅもきゅもきゅもきゅもきゅもきゅもきゅもきゅもきゅもきゅもきゃもきゅもきゅもきゅもきゅもきゅもきゅもきゅもきゅもきゅもきゅもきゅもきゅもきゅもきゅもきゅもきゅもちゅ。
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