残り107日「寝取り浮気について話そうかと思ったけど」

「寝取り浮気について話そうかと思ったけど」


紗奈は僕をベッドに引きづり込んで、ひとしきりイチャイチャして唐突にそう言った。


「思ったけど?」

「あんまり検証しても意味ないのよね〜」


僕は紗奈を後ろから抱きしめながら首を傾げる。


「どういうこと?」

「浮気も寝取りも、する人はするけどしない人は全くしないからよ」


うんまあ、改めて言葉にするとに身も蓋もない。


「それと昨日はラブコメが寝取り浮気ばっかりと言ったけど、日間で見ればそんなにないわね。

思ったより幼馴染ワードが多いなぁと思ったぐらい」

「そうなんだ」


「それで話は戻すけど。

ほら、たとえばキスが浮気だと思う人と浮気じゃないと思う人も色々ね。

私は浮気だと思う人だけど、キス『ぐらい』と思う人からしたら、浮気とかもハードルは大きく下がるわね。


行動科学者デズモンド・モリスの「親密さの12段階」から見れば7番目。

決定的な肉体関係は12番目ね。


分かる?

私なら3番目の会話も実は颯太以外とは抵抗があるわ。


社会的に無しというわけにはいかないから、ある程度はあったとしても親密にというのは、心のハードルがまず高いわ。

逆にもっとハードルが低い人も居るわ。


それにハードルが高くても、浮気相手というか好意を持てば別と言う人も居るし、バラバラね。


でも1番大きいのは犯罪以外では、浮気や寝取り寝取られをする気があるかないかでしょうね」


「魔が刺したり、酔ったりとかは?」

僕が質問を投げかけると、紗奈は真顔で言う。

「颯太が浮気したら死んでやるから」

「しないよ」


自分でそう決めてる。

殺すと言われるよりも、そちらの方がキツいな。

僕は紗奈の首筋にキスを落とすと、紗奈は赤くなってジタバタするが逃さない。


「結局のところ、自分の意思1つなのよね。

そもそも他の異性とお酒を飲みに行くということは、浮気するかしないかではなくて可能性はゼロではないと言うことなのよね。


もちろん、どういう関係性かもなくはないけど。

人によってはどれほど自分を律しても可能性はゼロにはならないから、そもそも2人っきりにならないという大前提を守ったりもするわね。


……やっぱり寝取り浮気の検証って長くなる上に、ちょっと硬い話にもなるのよね」


「人それぞれだしね」


「ラブコメで限定して言えば、昨日言ってた寝取り浮気の話は、どれもこれも最初から浮気しそうだなぁという関係性ばかりだけどね。


ほら、最近はかなり見かけなくなった気もしなくはないけど、ギャグでもない限り、ハーレムで囲われる女の子ってかなり浮気しそうに見えない?

偏見かもしれないけど」


まあ、偏見も大いにあるだろうけど。

それに最近見かけなくなったのではなく、紗奈が読む作品から完全に除外し出したからだと思う。


「そもそもハーレムは見方を変えれば、男自体が最初から浮気(?)していると取れなくもないからね」


「もう1つ、浮気しやすそうだなぁと思うのは、相手に恋しているかどうかで判断する人かなぁ。

ほら、じゃあ旦那や妻が居ても別の人に恋をしたら、そっちに行くの?と思っちゃうのよね〜。

行く人も居るし行かない人も居るんだろうけど。


だから私は恋って嫌いなのよねぇー」


「そう言い切る若い娘って……どうなのだろう?」


「良いのよ、私は颯太を愛しているから」

「僕もだ」

そう言って顔をこちらに向けた紗奈と口を重ねる。


もっきゅもっきゅ。


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