1年と84日目「つまり魂エネルギーを使うのよ」

「つまり魂エネルギーを使うのよ」


紗奈はカクヨムを読みつつ、僕らのベッドでゴロゴロと転がった後、唐突にそう言った。


時間なんだなと思い、僕は机の上を片付け紗奈の隣に座る。

「魂エネルギーってどういうこと?」


僕が尋ねると同時に紗奈は僕の腰に手を回して、お腹に顔を埋めてきた。

その頭を撫でる。


「例えば、公爵様のお話は1000文字ほどで魂エネルギー70ほど使うの」

「またえらく微妙な数字だね?

100が最高?」


「そうよ。

そのエネルギーを消費してしまうと、頭の中で展開も文章も出来てても、全く書けないの。


ちなみにこのエネルギーは良い作品や名作や感動出来るものを見ると急回復するわ。

書こう書こうと思っている間は、毎秒1エネルギーを消費するから書けないものなのよ」


「あー、勉強しなければと思えば思うほど出来ないアレ?」


「そうよ、同じよ。

ちなみに詐欺師の話だと推定20エネルギー消費で、イチャイチャ幼馴染だとプラス20エネルギー。

つまりイチャイチャ幼馴染は回復アイテムなのよ、もきゅもきゅがあるから」


もきゅもきゅ凄いね。


僕が関心(呆れて?)していると紗奈が、そんなわけで、と自分の唇を指差す。


期待には応えねばと。

紗奈のアゴに手を当てて顔をこちらに向けさせて、口を重ねる。


もきゅもきゅもきゅもきゅもきゅもきゅ。


「ぷぅ〜、美味しぃ」

そうして紗奈が艶っぽくニコッと笑うので。


僕はもう一度紗奈のアゴに手を当てるとおよ? っと紗奈は不思議そうな顔。


紗奈の唇に唇で触れる。

数回ほど触れたあと、軽く唇で啄み、キスをしたまま紗奈をゆっくり押し倒す。


「ング!? もしかして油断した!?」

「うん」

実は僕は今、狼颯太だったのだ。


「し、しまった!

図られた! んぐっ」

もっきゅもっきゅ。


口を重ねながら、優しく紗奈の右手を恋人繋ぎにしてベッドに押し付ける。


もちろん、嫌がる素振りが有れば即中止だ。

確認するようにもきゅもきゅから、唇を重ねるキスで確認するが。


紗奈はこちらをトロンとした目のまま何も言わないので、そのまま再度口を重ねて。


もきゅもきゅもきゅもきゅもきゅ……。


いただきます。

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