1年と61日目「風邪の気配がしたら即座に休みましょう」

「風邪の気配がしたら即座に休みましょう」


そう言って紗奈は部屋に入って来るなり、バタンと僕らのベッドに倒れ込んだ。


僕は椅子を回転して尋ねる。


「風邪っぽい?」

微妙な時期だから気を付けないと。


「ううん、疲れただけ。

咳とかも特にない。

けど抵抗力が低下するから、今日はお休みモード」


ああ、なるほど。


「……なら今日は僕も休んでおこうかな」

机の上を片付けて紗奈の隣に座る。


何事もメリハリが大事だと言う。

無理をしたところで良い事はない。


紗奈がよいしょっと言いながら、僕の腰に手を回す。

そのままクーと噓寝を始める。


とりあえず頭を撫でておいた。

すぐに紗奈は顔を上げる。


「意外と詐欺師の話のPVが安定しているのよねぇ……」

「良かったねぇ」

「うん。

改めて思ったんだけど、私は書籍化とかされると嬉しいとは思うけど、それが絶対条件という訳じゃないのよね」


「そうなんだ。

まあ、その辺りは紗奈が無理なく楽しくやれるならそれで良いんじゃない?」


「実際のところ、イチャイチャ幼馴染が書籍化なんてなったら大惨事だから。

書籍向きの書き方してないけど」


わざとらしく紗奈はガタガタ震えて見せる。


「それなら書かなきゃ良いのに」

割といつもそう言ってるけど。


「ふっふっふ、甘いわね!颯太!

ストロベリーマッ◯シェイク並に甘いわ!

このイチャイチャ幼馴染はある効果のために書き続けているのよ!」


紗奈はストロベリー◯ックシェイクが好きだったりする。


「どんな効果?」

「ズバリそのまま、文章を書く効果よ!

……これって勉強とかもそうなんだけど、スイッチが切れると書かなきゃと思っても書けなくなるものなのよ。


だから書かないといけない時は簡単な話を書くと、自然と書くスイッチが入るという人の習性を利用しているのよ!


勉強前には簡単な計算問題からすると良いのと一緒ね」


「なるほど……」

イチャイチャ幼馴染を書くのに意味があったんだ。

そうだとしても、ここまで晒さなくても良いのにと思わなくもない。


「でも今日は休みよ!

休む時は休む!

これとても大事!!」

紗奈はゴロゴロと音がしそうな勢いで僕のお腹に顔を押し付ける。


「はいはい」

そう言いながら、僕は紗奈の頭を撫でておいた。


もきゅもきゅ?

どうせ、寝る前には自然としてしまうよ。

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