222日目「何か更新し足りないなぁと思ってたら。」

「何か更新し足りないなぁと思ってたら。」


僕らのベッドの上でゴロゴロ転がって、スマホでネット小説を検索していた紗奈は唐突にそう言った。


僕は椅子から立ち上がり、紗奈の隣に座り紗奈の頭を撫でる。

「思ってたら?」


紗奈は僕にのっかかりしがみ付く。

「イチャイチャ幼馴染を更新してなかった。」

「しなくていいと思う。」

僕らもきゅもきゅしかしてないじゃないか。


「えー?なんか足りない気がするしー。」



とりあえず紗奈の口を塞いでおいた。

もきゅもきゅ。


「これを書かれると僕が加減しないといけなくなるし。」

もっとイチャイチャしたいのを我慢している訳だから。


「、、、これ以上のイチャイチャって、何?」

「そこ聞く?

実践しても良いけど、書いちゃダメだよ?」

「、、、そういうのは書かない。

颯太は私だけの颯太だから。」


オーケーらしい。

では喜んで、と。


「でも待った!

主張したい話が有るからその後で!」


お預けを食らいました。

まあ、仕方ない。

紗奈の頭を撫でながらベッドにゴロンと転がる。


「後で、だからね?」

紗奈が動揺するが、とりあえず話をするらしい。

再度しがみ付いて話し出す。


「このイチャイチャ幼馴染もう良いかなぁと思ってたのよね。」

「また発作的に何度か来るよね?それ。」


「時々、どうしようもなく恥ずかしくなるのよ、、、。

でもね、定期的にただただイチャイチャするような話が読みたいの!

、、、でも無いのよ〜。」


紗奈が可愛く僕の胸に顔を押し付ける。

うん、紗奈?僕の忍耐試してる?

我慢の限界は時間の問題だよ?


「まあ確かに、そういうのが見たくて書いてると言ってたね。」


「そうなのよ。

物語のアップダウンのためなんでしょうけど、なんだか嫌な展開があったりすることがあるでしょ?

そういうパターンのランキング上位のラブコメって、何かこう恋愛ぽくないというか、ドキドキしないというか、要するに今求めているのはそれじゃ無い感があるのよね。」


「ラブコメと一言で言うけど、好みは大きく分かれるよね。

それに一時期に比べて、カ◯ヨ◯のラブコメの勢いが落ちてる気もするね。」


「まさしくその通り!

流石颯太。

私の幼馴染!」

趣味が合うことが幼馴染関係ないよね?


「、、、颯太。

もきゅもきゅしたい。」

「突然だね!?

、、、まあ、僕としては喜んで、だけど。」


口を重ねる。


もっきゅもっきゅもっきゅもっきゅ、、、。


ツイッと透明な糸を繋ぎながら口を離す。


それで少し満足したのか、唇をテラテラさせたまま紗奈は話を続ける。


「それでね?

ざまぁやら、ハーレムやら元彼女ネタがまた増え出してる気がするの。

、、、純愛、ラブラブ系が読みたい。

もしくはハッピーエンド確定両片想い。」


「キュンキュンする奴ってことかな?」


「そうなのよ、安心してキュンキュン出来る作品って、少ないのよ。

あとちゃんとテーマあるのが読みたい。」


「まあ、リズムというか波があるよね。

暫く待ったら、また心にヒットする作品も出るんじゃない?」

「そうね。

お気に入りの作品が更新が減ってるから余計にね。

連休前だから仕方ないでしょうけど。

ところで颯太?」


「なんだい、紗奈?」

「もう良いよ?」

何が、とは聞かない。


お互いにしがみ付くように抱きしめながら、僕らの口は自然と重なる。


もきゅもきゅもきゅもきゅもきゅ、、、。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る