215日目「また書いたわ。」

「また書いたわ。」


紗奈は僕らのベッドの上で悟りでも開いたかの様に、静かに正座してそう言った。


僕は椅子から降りて膝をつく。


「また書いちゃったんだね、、、。」

「その様子からすると気付いてしまったようね。」

「あー、うん、気付いた。

気付いたし、きっとそういうことだよね、、、。」

「そうよ、アナグラムよ。」

「ゴツいネタバレだよね、、、。」


僕は身体を起こし、紗奈の隣に座る。

紗奈は足を伸ばす。

「足が痺れたわ。」

「何やってるの、、、。」


紗奈はポフポフとベッドを叩く。


「とにかく!ラブコメ熱が湧いて、イベント参加したい熱が湧いたから書いたの!」

「1話にまとめなかったんだね?」

「12000字だからまとめれないこともなかったけど、せっかくだし7話連載風にしてみたわ。細かく読みたい人と連休中に一気読みしたい人向けに。」


「もしも私たちが多くの幼馴染と同じような道を辿ったら、こうなったわ。」

紗奈は自分のスマホを出して未公開の続きを見せてくる。


「あ、あー、、、そうか、そうなのかも、、、。

あー、うん、ラブコメって難しいね。」

「そうね、書籍化されているラブコメのようではないと思うわ。

だって私からしたら、恋愛小説書いてるつもりで書いてるもの。

タグがそうなってしまうだけで。」


「カ◯ヨ◯は伏せ字にしてないんだね?」

「お題がお題だからね。良いかなぁ〜って。」

とりあえず紗奈の頭を撫でる。


「改めて思うけど、颯太、本当に撫でるの好きね?」

「感触が良いんだよ。

クセになる。」

「そう?」

「そう。」


そうして紗奈は思い出したように、スマホを枕の上に鎮座させた。

正座し直し、かしこみかしこみーと頭を下げる。


「おかげさまで、例の長編が星1000を超えるという私的大快挙を成し遂げたわ。

フォロワーに至っては、もうすぐ2000。

ありがたや〜。」

「本当に有難いね。」


「そうね、星1000になったから何かなるわけではないけれど、非常に嬉しくなってやる気が出るわ。

このまま、次の作品も書いちゃおうかしら?」

「まずは長編集中したら?」


紗奈はあからさまに目を背ける。

「紗奈、、、。」

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る