214日目「ああぁぁあああ!!ラブコメが書きたい!」

「ああぁぁあああ!!ラブコメが書きたい!」


僕らのベッドでゴロゴロ転がっていた紗奈は唐突に、いつも通り!唐突にそう言って悶え出した。


僕は素早く椅子を回転!

「イチャイチャ幼馴染ってラブコメじゃなかったっけ!?」

紗奈はピタッと動きを止め、しれっと。

「イチャイチャ幼馴染は私たちの日常を描いたエッセイよ?」


「タグ違いやないか〜い!」

僕は手を横に振りツッコミポーズ。


「とにかく颯太!私のラブコメへの疼きが止まらないから隣に来て!」

ぱふぱふと自分の隣を叩く。


しかしまあ、なんというか疼きと言われるとモニャモニャした気分になるので避けて欲しくも、ああ、うん、我慢出来なくなったら頂くから良いかな?


そんな気分でいつも通り紗奈の隣に。


紗奈は僕の腰のしがみつき、猫のようにゴロゴロと音を鳴らしそうな感じに身体を擦り付ける。

可愛かったので、アゴを軽く掴み口を重ねた。


もきゅもきゅ。


「それでラブコメってどんな?」

ぺろっと口に周りを舐めて、話を促す。


紗奈は口元を僕の服で拭いて。

「なんか女の子がと〜っても幸せになるやつが読みたい。」

「紗奈の書くやつは大体そうだよね?」


「そうよ?

甘くとろけて、でもちょっとジレジレで、でもと〜っても幸せになるもの。

カクヨムのランキング内は最近はエロいか、テンプレ的な男目線で女の子がそんなに幸せそうに見えないものがまた増えて来た気がするわ。

だから好みの作品が見つからないの。


ランキングだけで見ると、流行りとかばかりだから、好みに合うのが少ないのは分かってるんだけど、完結した作品で当たりって探す方法がほとんどないのよねぇ、、、。」


それは他の人も指摘しているカ◯ヨ◯の課題の一つだろう。


「そんな訳で私が好きな話を読みたいから、書くしかないかなぁって、、、。」


「今、長編書いて、さらにその裏でもう一つ勘違い系書いてるんじゃなかったっけ?」


プイッと紗奈は可愛く顔を逸らす。


「、、、まあ、無理のない範囲で。

それで何か書きたいの浮かんだの?」

「嫌い合ってるけど両想いの話が浮かんだの。

でも現実的に見ると好きな人に嫌いな態度って続かないよね〜?」


「そうだね、たまにラブコメでそういうノリの見たことあるけど、なんだか主人公たちが共感出来ない独特な考え方してるね。

相手の事を思うなら、嫌いな態度をずっとしているというのはやはり異常な事だし、そこに理由をつければ話が重くなるし、理由がないなら少し性格破綻していると思う。」


紗奈は納得したらしく一言。

「ラブコメはしばらくイチャイチャ幼馴染だけにしておくわ。」


イチャイチャ幼馴染はエッセイじゃなかったの?というツッコミはせずに僕は紗奈の頭を優しく撫でるだけに、、、。


そう思ったけど、なんとなくムラムラしたので、紗奈の頬に手を添え、ジッと顔を見つめる。


「ふ、颯太?ジッと見られると恥ずかしい、、ん!?」

そのまま口を重ねた。


もきゅもきゅもきゅもきゅもきゅ、、、。

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